『思考停止してる』とは、ネガティブな人物評価の際に使われる表現の1つです。なぜ、思考停止がそのような評価につながるのでしょうか?
その理由は、思考停止とは簡単にいえば自分の頭で考えていないということであり、その様子からは非学習的、非自立的、非生産的、非創造的等の印象を周囲に与えてしまうからです。
そこで脱思考停止に向けて、この記事では思考停止してしまう原因とその改善方法について幅広く述べていきたいと思います。
思考停止とは
簡単にいえば、脳という細胞組織の力を発揮できていない状態です。例えば、筋組織(筋力)であれば何か重たいものを持ち上げるときにその力を発揮することができます。
それと形は同じで、何かアイディアや解決策、ある答えを出さなければならないときに力を発揮してくれるのが脳ということです。例えていうなら、思考停止とは脳が汗をかいていない状態ということです。
もしあなたが、なにひとつ不自由なくストレスフリーに近い状態で、複数のルーティンに沿って日々を快適に過ごすことができているなら、あなたの脳は思考停止に近い状態にある可能性があります。
新しいことを学ぼうとしている時、自分で何か問題を解決しようとしているとき、より生産的・より効率的な活動のあり方を模索し、追求しようとしているとき、あなたの脳はいつも以上に働いていて、その様子は思考停止とは真逆の状態にあるといえるでしょう。
思考停止のデメリット
デメリット1: 考える力を伸ばすことができない
考える力とは思考力とも言い換えることができるもので、簡単にいえば自分自身である答えやアイディアを自由に導き出すことができる力のことです。
考える力自体は、自ら考え・判断し、行動していけるという主体性の根幹となる能力で、人工知能・AIが台頭する現代、子どもから大人までその重要性が指摘されています。
この力を身に付けるためには、基本的に、種々の物事について自ら考えてみるということが必要です。
つまり、思考停止の状態が長くつづくと、その間はこの考える力がトレーニングされないということになります。
日々の生活の中で考える力を効率的に伸ばしていくためには、極力、思考停止の時間を少なくしていきたいですね。
デメリット2: パフォーマンスの発揮に負の影響を及ぼす
これは「考える力を伸ばすことができない」に付随するデメリットです。
ヒトが発揮するさまざまなパフォーマンスには、専門的な知能・技能に加えて以下の4つの基礎的・汎用的能力が関係しています。
- 目標を設定し達成へのシナリオを作る力
- 目標達成に向けて最後まで諦めず努力できる力
- ミスや失敗の負の事象を挽回していける力
- 考える力
また、上の4つの能力要素は互いに関連し合っています。つまり、考える力のレベルが低いとき、他の能力要素のレベルも同様に低くなってしまうということです。
パフォーマンスの発揮に向けて、必要な資格・ライセンスの取得を目指していくのもいいですが、それと同時に、この考える力を伸ばしていくことも大切だと思いますね。
デメリット3: 同じ失敗を繰り返してしまう
思考が停止している人は、何か失敗をしてしまったときにその原因は何なのか?同じ失敗を繰り返さないための改善策や予防策について深く考えていくことが苦手です。
そのため、この先も同じ失敗を繰り返してしまう可能性が高くなるといえます。
デメリット4: いいように操られてしまう
思考停止の状態にある人は、悪くいえば操り人形のような存在といえます。例えば、赤ちゃんから幼児期にかけては、ほぼすべての子が親のいいなりになっています。
それと同じような形で、思考停止の状態にある大人は、周囲に上手く操られてしまうおそれがあります。
小さい頃に受けた親からの直接的なコントロールに限らず、日々何気なく取り入れている情報によっても、間接的にコントロールされる可能性はあります。
つまり、あなたが日々参照している情報源からの多様な情報が、知らず知らずのうちにあなたをある方向へと誘導している可能性があるということです。
そのように考えると、高度情報化社会に生きる現代人にとって、思考停止のリスクは思った以上に大きいといえそうです。
デメリット5: 想像力が低下してしまう
思考が停止しているときは、ただただ目の前のことに対処していくという単純な構図になっていると思います。
それってつまり、いろいろな物事や社会におけるこの先の展開や展望について、想像力を働かせることができていないのと同じです。その結果として待っているのは、想像力の低下です。
変化の激しい時代を生きる私たちにとって、この先の未来を正確に予測することは難しいかもしれませんが、想像力の低下はなんでもかんでも後手に対応するという姿を招いてしまうおそれがあります。
思考停止のメリット
思考停止を招く原因を述べる前に、思考停止のメリットにも触れておきます。それをシンプルに表現すれば、頭を休めることができるというものです。
なにかのエンジンと同じで、私たちの心身も時にオーバーヒートの状態になります。そんな時必要なのは、とにかく休養です。
頭が沸騰状態になってしまった時は、思考を停止して何も考えないのが一番です。目を閉じて視界からの情報も遮断すれば、より効果的だと思います。そのまま睡眠モードに突入してしまいそうですが。
また、日々の生活の種々の場面において、私たちは何も考えずに無意識に行動している時があります。
例えば、ボーとしながらでも歯磨きができたり、自動車や自転車の運転ができるといった様子です。これはオートパイロットと呼ばれ、脳がエネルギーを節約するための機能とされています。
◆―関連情報―◆ 人間の脳には「自動運転」が備わっている/GIZMODO
あなたは1日のどのくらいの時間をこのオートパイロットのモードで過ごしていますか?のんびりと休日を過ごすような場合は、その割合はちょっと多くなりそうですね。
でも、次の出勤日に向けてエネルギーを充電しておきたいときは、オートパイロットは大事だと思います。
◆ カテゴリー:ストレス
思考停止してしまう原因
原因1: コンフォートゾーンにいるため
コンフォートゾーンとはあなたにとって快適な空間を意味し、ストレスフリーに近い精神状態でいられる場所のことを指します。
社会人であれば、慣れた仕事を行えればよいだけの職場はコンフォートゾーンといえます。ただ、そのような汗をかく必要のない、心身ともに負担の少ない場所では思考も活性化しません。
もちろん、心身のコンディションを整えていく上でコンフォートゾーンは大切な空間ですが、そのようなゾーンに安住してばかりだと、思考停止の時間も長くなってしまいます。
原因2: 毎日が忙しすぎる
日々、勉強や仕事等に忙殺されている人も、思考が停止しがちではないでしょうか。常に目の前のことに追われ、他の物事や自分自身についてじっくりと考える余裕がない状態です。
来る日も来る日も、目の前のタスクばかりに追われていると、段々と以下のような心境になってきます。
- なぜ、自分はこんなにも懸命に勉強しているのか
- なぜ、自分はこの仕事をしているのか
- なぜ、自分はこんなにも頑張っているのか
それはつまり、思考が停止してしまっているからです。もっと厳密にいえば、目の前のタスクを処理するためだけの単純思考になってしまっているということです。
なお、単純思考については後述の原因11でも詳しく触れています。
原因3: 疲労が蓄積しているため
あなたも経験があると思いますが、(身体的)疲労が蓄積しているときに頭を使いながら生産的な作業を行うことは困難となります。
例えば、日中の時間帯に本業の方でクタクタになった身体で、夜間、副業で何かに取り組むのはかなり難しくなるといった感じです。
そもそも、私たちの心と身体は常に密接にかかわり合っています。身体面のコンディションが低下している状態では、思考が関係する心理面のコンディションも同じく低下してしまっています。
そういう意味ではよくいわれるように、起きたての早朝の時間帯は思考も活性化しやすいのではないでしょうか。
原因4: 先例主義である
仕事でもプライベートでも、何か意思決定をしていく際に慎重な判断が求められるときがあります。
その際、最も簡単で頭脳的にも楽なのは、過去の似たような事例と同じ判断をしていくというものです。
先例主義のもとでは、頭を使いながらより望ましい判断のあり方を模索していくというプロセスがすっぽりと抜けてしまいます。
人間は楽な方へと流れていってしまう傾向がありますので、どうしても先例主義に陥りやすいのではないでしょうか。楽をした分、失っているものも確実にありそうですね。。
原因5: 正解が与えられる学習環境
学校教育を中心とした学習では、必ず模範回答が用意されています。それらは児童・生徒の学習定着度や理解度を確認するために必要なもので、それ自体に問題があるというわけではありません。
ですが、すぐにその回答を確認しようとする姿勢や、その回答以外は認められないという姿勢は、長期的にみると自ら考える力の獲得に悪影響を及ぼしてしまっています。
自分で考えることよりも答えの暗記ばかりを優先してしまうと、思考停止の状態を自ら招いてしまうおそれがあります。
原因6: 提供される情報はすべて正しいとの思い込み
高度情報化社会を迎え、日々私たちは膨大な量の情報に触れることができています。
物事の性質を表す言葉の1つに「質」がありますが、それは当然、スマホ等を通じて身近に触れることができる情報にも適用することができます。
つまり、手軽に触れることができる情報の中には、残念ながらクオリティーの低いものも見られるということです。
目の前の情報と賢く付き合っていくためには、その内容をすべて鵜呑みにすることなく、何を取り入れていくかを慎重に考えていく必要があります。
その都度、情報の真偽を明らかにすることは難しいですが、『この情報は本当かな?』と、一定の距離間を確保しておくことは大切ではないでしょうか。
原因7: 社会における同調圧力
私たちの社会には全員が右へならえといった感じで、社会全体に見られる様式やその雰囲気に合わせようという圧力があるようです。
そのような圧力に抗わず、いつもみんなと同じようにその流れに従って行動していると、『本当にこれでいいのかな?』『何のために○○をしているのかな?』といった疑問がなかなか湧いてこなくなります。
その姿はまさに思考停止に近い状態といえるのではないでしょうか。
原因8: 世間の常識にとらわれ過ぎている
一人ひとりがこの日本社会の中で適応的に生きていくためには、社会的に当たり前と思われている知識を持ちつつ判断をし、そして、行動をしていくことが求められます。
ですが、その常識に強くとらわれ過ぎると、『○○はこうあるべき』『人々はこう振る舞うべき』等というように、偏ったものの見方が徐々に形成されていくことになります。
そして、その結果として起こってくるのが、自らの見方に反した振る舞いをする人物への怒りの感情の生起です。
怒りの感情は、その時々での理性的な判断を失わせてしまうもので、思考停止の状態を招く要因の1つであると考えられます。
ただ、感情的になったり感情に流されることが思考停止の直接的な原因というわけではなく、その大元には偏ったものの見方があります。
その見方と現実とのギャップが怒りの感情を生み、それが人々の冷静な判断や落ち着いた対応を阻害しているという構図です。
原因9: 便利な世の中
生活が便利になればなるほど、皮肉にも自分自身で悩み・考えるというプロセスが不要になってきます。
最近では、人工知能・AIに音声でお願いすれば代わりになんでも瞬時に行ってくれます。これ自体は技術の進歩で喜ばしいことですが、その恩恵にどっぷりと浸かりつづけてもよいのでしょうか。
気がついた時には、AIなしでは何もできない自分になってしまっているかもしれません。既にそれと近い状況が発生してしまっている可能性もあります。
あなたはスマホなしで、日常生活を送っていくことができますか?
私はちょっと自信ないかも。。
原因10: 自分は考える力がないとの思い込み
これは普段、学生と接する中で感じている点です。例えば、何か問題を学生側に提示した時に、反射的に『わかりません』という反応が返ってくるときがあります。
ですがその後、時間をかけてじっくりと取り組んでもらうと、しっかりとした答えを出すことができます。
反射的・無意識的に『わかりません』と発してしまう根底には、「自分には考えることができない」「自分には考える力がない」との思い込みがあるのではないでしょうか。
それは単なる思い込みであって、正しくは考える力が未だトレーニングされていない、脳が力を発揮できていないということであるはずです。
◆ カテゴリー : 自己理解
原因11: 単純思考になってしまっている
思考停止に近い状態として、「物事を深く考えられていない」「考え方がいつもワンパターンである」というのがあります。つまり、単純思考になってしまっているということです。
例えば、2022年7月に実施された参議院議員選挙において、ある野党の候補者の方が以下のフレーズを主張していました。
今だけ、金だけ、自分だけになってしまっていないか
もちろん、日々生活をしていくために今が大事、お金も大事、そして、自分も大事であることに変わりはありません。
ですが、今だけよければいい、お金だけもらえればいい、自分だけ良ければいい、というのも見方によっては単純思考といえます。
特に「今だけ」は、「目の前のことだけ」に言い換えてもいいと思いますね。
いまこの瞬間だけでなく、物事を長期的に見る必要性はないか。お金よりももっと大切なものがあるのではないか。いまの自分があるのは、自らの頑張りとともに周囲のどのような支えがあったからだろうか。
冷静に注意深く考えてみると、いろいろな気づきや発見があるとともに、それらは思考の深まりを促してくれるはずです。
原因12: 勉強が嫌いである
あなたは勉強することが嫌いですか?
質問の答えが『はい』の人は、自分にとって何か新しい知識を自分から知ろうとしない、調べようとしない、理解しようとしないのではないでしょうか。これってまさに思考停止に近い様子だと思います。
勉強が嫌いになってしまう理由は人それぞれだと思いますが、今後は受験のための勉強から自分の人生を「よりよく生きる」ための勉強へとシフトしていく必要があります。
自分自身でも理解しようとせず、人に「お任せ」ばかりでは相手側の思うつぼになってしまうのではないでしょうか。
◆ カテゴリー:思考
原因13: 諦めてしまっている
スポーツをはじめとした勝負事の世界では、『諦めたらそこで試合終了だよ』とよくいわれます。
レフリーによる試合終了の合図とは関係なしに、本人が諦めた時点で実質的に試合は終わったに等しいということです。
諦めてしまうとすべての動きが止まり、思考も停止してしまいます。いままさに、それと似たような状況になっていないでしょうか。
- どうせ社会は変わらない
- どうせ政治は変わらない
- どうせ自分の夢は叶わない
- どうせ自分の目標は達成できない
諦めたらそこで試合終了です。まだまだ、試合を終えてしまうタイミングではないはずです!
本人が諦めてしまったのか、または、諦めるように仕向けられているのか。再び思考が動き始めれば、いろいろなことに気づくことができるかもしれません。
◆ カテゴリー:目標設定
思考停止の改善方法
方法1: 心惹かれる大きな目標を設定する
人間は何も目標がないときは、おおむね思考が停止しています。反対に、心惹かれる目標がある状態では、それを確実に達成するために常に思考が活性化しています。
ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、本人が『達成したい!』と強く願う目標であれば、途中で思考が停止することはほぼないでしょう。
例えば、人生序盤のメインイベントともいえる大学受験においては、全受験生が『第一志望の大学に合格する!』という目標を立て、道半ばでそのことを忘れてしまう受験生はほとんどいないと思います。
このような心惹かれる大きな目標を見出していくことはそう簡単ではありませんが、思考を活性化させる効果は抜群です。
例えば、「お金をたくさん稼ぐ!」というのは、人類共通の心惹かれる目標だと思います。
『どうすれば楽にたくさん稼げるか?』 まさに思考が活性化している様子ですね(笑)
◆ カテゴリー:目標設定
方法2: 難易度の低い小さな目標を設定する
人間は『できた!』という達成感を味わうと、『またできるようになりたい』『もっとできるようになりたい』といった成長への欲求が湧いてきます。
そして、そのような心理状態の下では、ただがむしゃらに練習をする・努力を継続するのではなく、『目の前の課題をクリアするためにはどうすればいいのか?』という思考が伴っているといえます。
まさに、考えながら努力をしている姿であり、そこでは間違いなくあなたの思考は活性化しているはずです。
考えながら努力する姿勢を作るためには、できたという達成感を比較的容易に得られる小さな目標を設定する必要があります。
心惹かれる大きな目標があるのであれば、その達成に向けて以下の図のように、個々の小さな目標を階段状に設定できれば理想的です。
『課題を一つクリアできた!』という小さな達成感を得ることが、思考の活性化につながっていきます。
方法3: 考えるべきリストを用意しておく
日々の仕事をはじめ、それ以外の生活場面においても、あれこれと熟考して答えを出す必要があることは少なくないはずです。
次の新商品・新製品のアイディアは?印象に残るキャッチコピーは?次の家族旅行はどこにいくべき?彼・彼女へのプレゼントは何にすべきか?などなど。
それらの問いに対して納得のいく答えを出すためには、やはり考える時間が必要になってきます。
そして、その考える時間を可能な限り多く確保するためには、その問いの存在自体を意識するタイミングを増やす必要があります。
最も簡単なのは、考えるべきリストのようなものを常に用意しておくことです。それは紙でもスマホのアプリでもいいと思いますが、とにかくパッと確認できるものがいいですね。
それを見るたびに、あなたの思考はすぐに活性化するはずです。
◆ カテゴリー:目標設定
方法4: 物事の優先順位を意識する
毎日たくさんのやるべきことがありますよね。ところで、そこに優先順位はつけられていますか?
その都度、優先順位を意識して行動することで、日々を生産的に過ごすことができるとともに、1日に対する満足感・達成感も得られるようになります。このような優先順位を意識するだけでも、あなたの思考は活性化していくといえます。
また、やるべきことの一覧は日々刻刻と変化していきますので、優先順位を意識するタイミングは多く、それを習慣化できれば思考停止の時間は確実に減っていくのではないでしょうか。
◆ カテゴリー:思考
方法5: なぜ?と疑問に思う
考えることの起点は、『なぜ?』と疑問の思うことであるといっても過言ではありません。
誰しも小さい子どもの頃は、ほぼ毎日が疑問のオンパレードであったと思いますが、大人になるにつれ、疑問に思う頻度はどんどん減っていってしまいます。
でも冷静に考えれば、たとえ大人であってもまだまだ知らないこと・わからないことは無数にあるはずです。ただ、仕事等で専門にしている一部の分野について詳しく知っているということではないでしょうか。
疑問に思う対象は身近なことでOKだと思いますし、疑問に思うという思考習慣を手に入れられれば、あなたの思考はいまよりも活性化できるはずです。
身近なことといえば、私たちは日頃スーパーに買い物に行ったとき、私自身もそうですが、ついつい安売りの食材に手を出してしまいがちです。
これって『安ければなんでもいい』といったある種の単純思考になっている形です。
最近は物価高なので、節約のために安さを重視するのは仕方のないことですが、本当にそれだけでいいのでしょうか。
その安さの裏には何か訳があるかもしれません。例えば、カゴに入れる前にその商品の裏面を確認することはありますか?産地はどこなのか。加工食品の場合は原材料に何が使われているのか。
当たり前ですが、私たちの身体は毎日食べるものからできています。心身相関の関係性を踏まえていえば、身体だけでなくこころもそうだと思います。
食べることは毎日のことなので、『なぜ?(こんなに安いの)』と疑問に思う対象としては適しているのではないでしょうか。
◆ カテゴリー:思考
方法6: 記事のタイトルを真に受けない
新聞記事をはじめ、週刊誌記事や企業サイトのコラム記事、個人のブログ記事というように、オフライン・オンライン問わず、私たちの社会はさまざまな記事で溢れています。
そして、それらは実際に(クリックされ)読んでもらうことでその役割を果たし、読まれない場合はその存在意義は無いに等しいです。
そのため、個々の記事は人々の目を惹いたり、興味・関心を喚起するためにときにオーバーな表現を用いたりします。そのことを理解していないと、その都度、記事側に振り回されてしまうことになります。
記事タイトルを真に受けないという意識的な態度を身につけることができれば、日々手元に届く膨大な量の記事と賢く付き合っていくことができるはずですね。
方法7: 同じ行動を繰り返す
ここでいう行動自体は、どんな小さなことでも構いません。部屋の掃除をする、本棚の整理を行う、食器を洗う、目的地に向けて車を運転する、などなど。
そのような行動を繰り返していると、次のような衝動に駆られてこないでしょうか。
もっと効率よくできないかな…。
実際のところ、一つひとつの行動は工夫次第でより効率的に行うことができるはずです。人間は楽をしたいと思う生き物ですので、エネルギーの消費を節約することを目的に種々の行動を効率化していきます。
そのより望ましい形を模索し、追求していく過程において、あなたの思考は活性化していくというわけです。
方法8: 言語化のトレーニングを行う
自分が言いたいことを的確に言葉にできたとき、ヒトはある種の達成感を得ることができると思います。
あらゆる事象を的確に言葉にしていくためには、豊富な語彙とともに、自分なりの表現力が必要になってきます。
そのような言語化に際し、一つひとつの言葉を慎重に選び組み立てようとしているとき、あなたの思考は間違いなく活性化しているはずですね。
◆ カテゴリー:思考
方法9: カラーバス効果を実感する
思考を活性化し、日々を意識的に過ごしていくためには、意識することの効果を実感することが大切です。
例えば、私は大学の授業でグループワークを多用していますが、「いろんな考え方に触れられる」「みんなとの共通点や自分独自の特徴が明確になる」といった効果を実感する度に、学生たちは積極的にグループワークに参加してくれるようになります。
そこで、意識することの効果としては、カラーバス効果というものが挙げられます。
これは例えば、今日の占いでラッキーカラーは赤色といわれることで、赤色を強く意識し、その色に関するものばかりが目に飛び込んでくるように感じるというものです。
私たちの脳は視覚から入ってくる膨大の量の情報をすべて認識しているわけではなく、必要と判断されたものだけを認識するように機能しています。
その判断基準となるのは、私たちが普段から意識していることです。カラーバス効果は疑似科学ともいわれていますが、意識さえすればすぐにでも実感することができます。
意識次第で自分が欲する情報を効率的に得られることを知れば、あなたの思考が活性化するのはもはや時間の問題ではないでしょうか。
◆ カテゴリー:思考
方法10: 賛否両論に触れる
政治的なことを含め、社会におけるさまざまな動きに対しては賛否両論が見られます。
その個々の動きに対して、一人ひとりが自らの考えや価値観に沿った判断をしていくためには、賛成・反対それぞれの意見を確認し、メリット・デメリットを天秤にかけながら、慎重にかつ冷静に考えていく必要があります。
それに対して、賛成反対のどちらか一方の意見のみを見聞きし、それに流されるような形で判断をしている場合は、思考停止に近い状態といえるのではないでしょうか。
さまざまな事柄の賛否両論に触れ、それについて考え始めることで私たちの思考は活性化していきます。
『最近、思考が活性化していないな』と感じたら、日頃、ニュース等を見ている情報源を変えてみてください。
新聞やテレビが中心であるのであれば、そこにyoutube動画を加えてみるのもいいと思います。いまは政治家をはじめ、数多くの専門家の方々が独自の視点で積極的に情報を発信しています!
多様な考え方(賛否両論)に触れられる環境づくりのためにも、「情報源を増やす」というのはいいと思いますね。
まとめ
この記事で紹介した思考停止の改善方法を改めて一覧で示します。
- 心惹かれる大きな目標を設定する
- 難易度の低い小さな目標を設定する
- 考えるべきリストを用意しておく
- 物事の優先順位を意識する
- なぜ?と疑問に思う
- 記事のタイトルを真に受けない
- 同じ行動を繰り返す
- 言語化のトレーニングを行う
- カラーバス効果を実感する
- 賛否両論に触れる
思考を活性化することで鍛えられる考える力(思考力)は、この先、人工知能・AIと人類とがWIN・WINの関係で共存していくためにも、極めて重要な能力であるはずです。
その上で大切なことは、思考停止と思考を活性化させる時間のメリハリをつけていくことであり、最も避けるべきは、思考停止の時間が1日の大半を占めてしまうことですね。
◆ カテゴリー:思考
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