毎日、ついつい頑張り過ぎちゃいますよね。これから先もその元気な姿で過ごしていくためには、意識的にリラックスできる時間を確保し、その都度、心身の疲れをケアしていく必要があります。
また、結論を先にいえば、心身の疲れを生む主な原因は緊張であるということができます。
この記事では緊張の意味を詳しく説明しながら、意識的にリラックスする時間を確保する必要性と、簡単にリラックスできる方法について解説していきたいと思います。
緊張が疲れを生む理由
それは緊張を言語化してみるとよくわかります。緊張しているとき、こころと身体は以下のような状態になっています。
こころ : 気が張り詰めている
身体 : 力が入っている
つまり、緊張の程度が高いとき、身体はガチガチ・こころはピーンと張り詰め、その状態が長くつづくと、それだけ心身の疲労も溜まってしまうということです。
また、緊張の反対はリラックス(状態)ですが、そのような状態では全身に余計な力が入っておらず、気持ちもゆったりとしていますね。
このようなリラックスの時間を意識的に確保することによって、心身の疲れをその都度ケアしていくことができるといえます。
◆ カテゴリー:思考
心身の疲れを生む緊張には段階がある
あなたが緊張ととらえているのはどのようなときですか?人前で何か発表をしたり、パフォーマンスを披露するときですか?
確かにそれも緊張と呼べる状態ですが、「身体に力が入っている状態」「気が張り詰めている状態」として緊張をとらえると、その緊張には程度(レベル)があることがわかります。
大まかにいえば、弱い緊張、中程度の緊張、強い緊張の3つの段階があり、中程度の緊張のときにヒトは最もパフォーマンスを発揮することができるといわれます。いわゆるゾーンと呼ばれる領域ですね。
つまり、身体がガチガチになってしまうような状態のみが緊張ではないということです。優れたパフォーマンスを発揮しているときもヒトは緊張していますし、同時に疲労も生まれています。
高いレベルのパフォーマンスを発揮しつづけようと思ったら、心身における疲労もその都度ケアしていく必要があり、それを怠ってしまうと不調の原因にもなってしまうおそれがあります。
緊張しつづけることのリスク
繰り返しますが、緊張を「身体に力が入っている状態」「気が張り詰めている状態」としてとらえると、私たちは日中の間はほぼ緊張しっぱなしであるといえます。
緊張状態がつづいているということは、心身の疲労もたまりつづけているということで、さらに夜間、「十分な睡眠時間を確保できていない」「睡眠の質が良くない」という場合は、疲労のたまり具合はさらに進んでいることが予想されます。
ここで少し神経の話をすると、私たちの身体には自律神経というものがあり、それはさらに交感神経と副交感神経とに分類されます。
緊張している状態では活動神経ともいわれる交感神経が優位に働き、リラックスしている状態では休息神経ともいわれる副交感神経が優位に働きます。
本来、この2つの神経は遊具のシーソーのように交互に優位になるものですが、どちらか一方が優位になりつづけると、身体にさまざまな影響が出てくるといわれています。
特に、交感神経が優位になりつづけると血管が縮んだ状態になり、以下のような影響が見られるとされます。
- 栄養・酸素・体温が全身に行き渡らない
- 疲労物質や老廃物が排出されにくくなる
- 疲労が抜けず、疲れや不調を抱える
- 不調がストレスとなり、さらに交感神経が優位になる
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要は、交感神経が優位になりつづけると疲れやすくなる(疲れが取れにくくなる)ということだと思います。そのような状態では、良いパフォーマンスを発揮しつづけることは難しくなってしまいますね。
リラックスの時間を最小限に留めて働きつづける(緊張しつづける)ことのリスクは、思った以上にあるといえるのではないでしょうか。
簡単にリラックスする方法
忙しい現代人に向けて、簡単にリラックスできる方法を紹介します。
ただ、これらの方法には自分に合う・合わないという個人差がありますので、ストレスなく取り入れられるものを検討してみてくださいね。
深呼吸
深呼吸はリラクセーションの基本です。以下、座った姿勢での効果的なやり方を説明します。
ステップ1: 吸息
お腹に手を当て、膨らみ具合を確認しながら約4秒間、鼻から吸息します。
難しさを感じる場合は、まず息を吐き出すところから始めてください。全部息を吐き出すと、その反動で楽に吸息することができます。
また、吸息時に両肩を上側に持ち上げるようにしても、楽に息を吸うことができると思います。
ステップ2: 一度、息を止める
吐き出す前に少しの時間、息を止めます。止める時間は4秒前後です。これは無理の無い範囲で行ってみてください。
最初は1、2秒ぐらいからでもいいと思います。慣れてきたら3秒、4秒と段階的に増やしていけばOKです。
ステップ3: ゆっくりと息を吐き出す
ゆっくりと少量ずつ、息を吐き出していきます。吐き出す時間は吸息時間の倍以上です。
すぐに吐ききってしまう場合は、おちょぼ口を作り、蜘蛛が糸を吐き出すようなイメージで少量ずつ吐き出してみてください。
ステップ2で一度息を止めることで、吐き出す際に身体の内側からリラックスできる(脱力する)感覚を味わうことができるのではないでしょうか。
よかったら、途中で息を止めない形でも行ってみてください。その比較からは、吐き出す前に一瞬でも息を止めることの効果を実感できると思います。
なお、息を吸うときは交感神経が働き、吐くときは副交感神経が働きますので、確実にリラックス効果を得るためには吐く時間を長くする必要があります。
一連の動作を目を閉じながら行うと、眼精疲労も軽減されてリラックス効果はより高まると思います。
このステップ1からステップ3までの手順で5~10分ほど行ってみてください。もちろん、楽に横になった姿勢でも行うことはできます。
私はいつもうつ伏せの状態で行っていて、深くリラックスできた時は自分の身体が布団に溶けていくような感覚を得ることができます。
深呼吸によるリラックス効果には個人差がある
以下は私の授業の履修生(約130名)に、就寝前の時間帯に上で説明した手順で深呼吸を行ってもらった感想を要約し一覧にしたものです。
- 深呼吸を開始し、複数回行った後に眠りについてしまっていた
- 非常にリラックスした状態になり、ウトウトとしてしまった
- リラックスした状態になることができたと思う
- あまり効果を実感できなかった
「1」と「2」の回答で半数以上を占めていましたが、「3」と「4」の回答も一定数見られました。
「3」の回答者は普段から自分に合ったリラックス法を実践している人が多く見られ、「4」の回答者はそもそも生理的に合わなかった可能性があります。
深呼吸はリラクセーションのための一技法
一点補足をすると、この深呼吸は呼吸法としてリラクセーションの技法として位置づけられています。
つまり、深呼吸はヒトが習得していく技能の一つでもあるので、意識的に繰り返し行うことで、徐々にその技能レベルを高めていくことができるといえます。
その他の方法
以下は、その他の簡単にリラックスできる方法を一覧にしたものです。
- ストレッチ
- 入浴(お湯に浸かる)
- サウナ
- 温かい飲み物を飲む
- 瞑想(マインドフルネス)
- こころ休まる音楽を聴く
- ペットに癒される
- 一人で好きなことをして過ごす など
仮に上記の一覧にもう一つ加えるとすれば、それは喫煙です。
私も20代の頃は喫煙者でした。当時の様子を思い返すと、たばこを吸いながら深呼吸をしていたんですね。もし機会があったら、喫煙者の様子を横目で観察してみてください。
『ふ―――。』って落ち着いて深呼吸しているはずです!みなさんきっと、リラックスの時間を確保したいんだと思います。
繰り返しますが、リラックスする方法には自分に合う・合わないという個人差が見られるので、大事なのは自分が日々の生活の中に無理なく取り入れられる方法を見出していくことだといえます。
まとめ
この記事では深呼吸を中心に、リラックスする方法について解説しました。リラックスする目的を一言でいえば、心身の疲労の回復です。
その疲労は日中の緊張状態が生み出しています。緊張状態とは身体に力が入り、気が張り詰めている状態です。頭が真っ白になる「あがり」に近い状態だけが緊張ではありません。
そのような状態が長くつづいている場合は、5分でも10分でもいいので、意識的にリラックスの時間を確保していくことが大切です。
特に深呼吸はいつでもどこでも簡単に行うことができ、しかも上手くいけば短時間でも効果を実感することができます。
この記事が、あなたが深呼吸によるリラックス効果(疲労回復効果)を実感するキッカケとなれば幸いです。
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