劣等感を生む根本的原因が分かれば、その克服方法が見えてくる!

ストレス
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優越感を感じるって悪くないし、くせになりますよね。でも、その優越感を追い求める背景には劣等感があるといわれています。つまり、優越感と劣等感は表裏一体ということです。

この記事では、劣等感が生まれる根本的原因について詳しく述べていきたいと思います。元となる原因が分かれば、劣等感克服へのヒントが見えてきそうです。

この記事を書いた人
しまもと

法政大学スポーツ健康学部准教授 / 専門は自分づくりを支援するライフスキルコーチング / 20年以上にわたり自分づくりの教育・研究を専門的に行う / 大学では毎年300名以上の学生にスポーツ心理学をベースに自分づくりの授業を行う / 大修館書店による月刊「体育科教育」の巻末エッセイを奇数月に担当中

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劣等感とは

簡単にいえば、自分は周りよりも劣っていると感じることです。人間は社会的な生き物なので、この感情をゼロにすることは難しいと思います。特に、同年代の集団の中ではこの劣等感はより感じやすくなる可能性がありますね。

また、「劣っている」というのは一種の思い込みであるともいえますが、学校の成績のように明確に数値として示されることで、その思い込みに拍車をかけているようにも思えます。

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劣等感を生む根本的原因とは

端的にいえば、以下のとおりです。

 個人差の存在を認識できていない

 

私たちはパッと見は同じ日本人で似たような存在ですが、特に内面的なことに関しては実にさまざまなものが違っています。その一部を挙げれば以下のとおりです。

  •  パーソナリティ(性格)
  •  向き・不向き
  •  得意・不得意
  •  器用・不器用
  •  敏感・鈍感
  •  強み・弱み
  •  興味・関心
  •  好き・嫌い
  •  価値観や人生観
  •  理解力
  •  集中力
  •  根気や忍耐力 
  •  これまでの経験値 など

また、育った環境が違えば育ての親から育まれた自己肯定感自信の程度にも違いがあるでしょう。

私たちはロボットではないので、当然といえば当然ですよね。なので、何か新しい知識を勉強したり、新しいスキル・技能の獲得に向けて練習したりすると、そこにはが生じてきます。

比較的早く習得できる人がいる一方、人よりも時間がかかる人もいます。ただ、理解したり習得するまでに時間差があるだけで、最終的な結果は同じです。

世界一難しい言語の1つとされる日本語を、幼児の頃は習得のペースに差があるにせよ、結果的に全国民が身につけることができます。

また、小さい頃に自転車に早く乗れる子、時間がかかる子が見られますが、最終的にはみんな同じように乗ることができています。

つまり、このが生じる原因をきちんと認識せず、表面的なできたできないだけで受け取ってしまうと、『なんで自分はみんなと同じようにできないんだ』という劣等感が生まれてしまうというわけです。

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個人差への認識を難しくしているもの

ここでは2つの要因に言及します。

その1: 自分以外の評価軸

例えば、学校であれば勉強がよくできる子が勉強の評価軸となり、運動・スポーツがよくできる子がその評価軸となります。

そして、その軸をもとに一人ひとりの達成や成長の度合いが評価されることになります。そこには自分自身の軸は見られません。また、その評価を行うのは学校の先生や親なので、その言葉を疑うこともないでしょう。

そのため、子どもたちは疑いも無くその物差しで自分のことを評価し、多くの場合、自分は基準と比べて劣っているとの感情を抱くことになります。

お分かりのとおり、本当に必要なのは自分自身の評価軸であり、それは自分の中にあります。比べるべきは過去の自分です。以前に比べ少しでも成長することができたかが重要です。

小さい頃、背の高さを自宅の柱に記録し、定期的にその成長の度合いを確認していませんでしたか?まさにあのイメージですね。

 

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その2: 全員同じというタイミング

繰り返しますが、一人ひとりの個人差は成長の度合いやそのスピードに差を生むことになります。

ですが、この日本では児童生徒、学生、そして社会人に至るまでの過程において、ほぼ全員が同じタイミングで同じことに取り組むようデザインされています

進級や進学、○○受験(大学受験)、成人式、就職活動など、各種運営者側はその方が負担が少なくいいかもしれませんが、それを受ける側としては過度な負担と感じるケースも当然あるでしょう。

全員を同じタイミングである意味強引に進めようとすれば、当然弊害が出てきます。その1つが周りと比べて自分は劣っているという劣等感の生起だと思います。

決して自分が劣っているのではなく、社会のペースが自分には合っていないということですね。

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劣等感を感じない活動

人が劣等感を感じない活動を1つ挙げるとすれば、それは登山です。登山は生涯スポーツとしても人気で、週末となれば多くの登山者がお目当ての山に向かいます。

その登山者においては、一人ひとり体力も違えば山登りのスキルや経験も違います。そのため、山頂へ向けたスピードには差が生じてきます。

ですが、そのことで落ち込み、山頂への足取りを止めるような登山客は一人もいません。むしろ『お先にどうぞー』と爽やかなぐらいです。

なぜ劣等感が生じないのか?それは達成を目指す目標(山頂)が明確であったり、そのための計画(登山路)が明確であったり、その計画どおりに進めば必ず目標を達成できるとの確信があるからです(地図で確認)。

これらのことは、私たちが劣等感から解放されるヒントを示してくれていると思いませんか?

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劣等感の克服に向けて

劣等感克服の鍵は2つあります。1つは心惹かれる目標(山頂)を設定すること。2つ目はその達成に向けた計画づくり(山頂に至る登山路)を入念に行うことです。

そのためには、既に同様の目標を達成している人からの情報収集も大切になるでしょう。

それらが完了したら、あとはただひたすら必要な作業に取り組むだけです。そこから得られる大小の達成感や満足感は、あなたを周りとの比較からくる劣等感から解放してくれるはずです。

劣等感が無くなっていけば、いちいちマウントをとったりして優越感を得る必要もなくなります。優越感と劣等感は表裏一体だからです。

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まとめ

小さい子に劣等感を植え付けるのは、その子以外の評価軸をもとにその子と周りとを比べようとする親や周りの大人である可能性があります。

子どもたちは自分の好きなこと、興味・関心のあることに夢中になって遊んでいますが、周囲と比べられることで、その関心が徐々に他者との比較にシフトしてしまうとしたら、こんなに残念なことはないと思います。

周りのことよりもこれからどこの山を登るか、自分にとって魅力ある頂(目標)を探す作業の方がよっぽど大切ですし、意味があるように感じます。

それが早く見つかる人もいますし、なかなか見つからない人もいます。それも個人差ですね。

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