「考え抜く力」の鍛え方を事例をもとに解説|頭脳で発揮する社会人基礎力

自分づくりと思考
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前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力の三本柱から構成される社会人基礎力において、唯一行動として表れてこないのが「考え抜く力」です。

人工知能・AIの台頭が著しい現代、人間としての強みを遺憾なく発揮していく上で、この考え抜く力は益々重要になってくると思います。

そこでこの記事では、頭の中で発揮される考え抜く力の鍛え方を詳しく解説していきたいと思います。

この記事を書いた人
しまもと

法政大学スポーツ健康学部准教授 / 工学部出身の心理学者 / 専門は自分づくりを支援するライフスキルコーチング / 20年にわたる活動の成果をもとに 「理想の自分を実現したい!」と願うすべての日本人へ届ける気概と熱意で執筆中

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考え抜く力とは

この考え抜く力ですが、例えば、算数や数学で難しい問題に当たっても、すぐに諦めないで自分で答えを導き出すことができる力といった印象を受けるのではないでしょうか。

社会人基礎力を提唱している経済産業省によると、この力は疑問を持ち、考え抜く力とされます。

さらに、現状を分析することで目的や課題を明らかにし、その解決のためのシナリオを描くことができたり、新しい価値を創造することができる自律的な思考力と記されています。

参考資料 社会人基礎力――経済産業省(PowerPoint資料)

 

テストの問題に粘り強く向き合うだけの能力ではないということですね。

また、考える起点として疑問を持つということが明記されているので、身の回りのことに疑問を持つことができるという点も大切になってきます。

考え抜く力を鍛えていくためには、『これはどういう意味?』『なんでこうなってるの?』といった感じで、前例や先入観にとらわれないものの見方も必要になってくるということですね。

 

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考え抜く力を鍛えるために欠かせないこと

それを一言で表現すれば

 紙に書きながら考える作業を行う

ということです。

もちろん、自由に手で書き込めるタブレットでもOKだと思いますが、安価で瞬時に行えて、電池切れの心配のない「紙」を使用するのがベストかなと個人的には思います。

この記事では紙を使用する想定で話を進めていきますが、考える作業に紙が欠かせない理由は以下のとおりです。

 

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自分の考えを客観的に認識するために紙に書く

人間は五感を通していろいろなことを認識していますが、頭の中で考えていることはどのように認識すればよいのでしょうか。

声に出して自分の聴覚で認識することはできますが、もっと確実なのは紙に書き出し視覚を通して確認することです

書き出すことでその情報に触れつづけることができますし、さらにいえば、書き出すことは言語化することでもあるので、意味的にも自分の考えを明確に認識することができるというわけです。

つまり、頭の中の考えはアウトプットしない限り、地に足のついていない宙ぶらりんなものぼんやりとしたものということができます。

あなたはそのような曖昧な情報をもとに、頭の中だけで考えを深めていくことができますか?

 

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紙に書いて考え抜く力を鍛える流れ

ここでは現状分析から課題を発見し、その解決のためのシナリオづくりをどのように進めるか新しい価値をいかに創造するかについて、紙に書くという行為をもとに解説します。

課題を発見し、その解決に向けたシナリオづくり

一般的な事例として、以下のような課題がチーム内で発見されたというケースをもとに話を進めていきます。

メンバー間の意思疎通が不十分なために、生産性を低下させる種々の問題が発生している。そのため、しっかりとコミュニケーションを取っていく必要がある

この問題を解決するためのシナリオづくりを考えていくということです。

その前に、「コミュニケーションを取る」をもう少し具体的にして、ここでは「チーム内のコミュニケーションを活性化させる」をメインの課題とします。

 

まず最初に考えるべきは、「コミュニケーションを活性化させる」という課題を解決するために、どのような下位の課題が想定されるのかについてです。

メインの課題を確実に達成していくためには、下位の課題は複数あった方がいいでしょう。そこで、ここでは以下の9マスを用意し、中央にメインの課題を記入して考えていくことにします。

そして、これらの作業は脳へ多くの刺激を送り届けるためにも手書きで行った方がいいでしょう。

 

残りの8マスには、メインの課題を達成するために必要だと思われる下位の課題を記入していきます。記入内容が正解・不正解かを意識する必要はないので、とにかく思いついたらどんどんマス目を埋めていきます

そして、以下のように課題が出揃ったら、それら課題の全体像をしっかりと認識しながら、解決に向けたシナリオづくりを進めていきます。

 

 

作業の中身としては再び現状分析です。「チームにとって難易度の低い課題、高い課題はどれか」「早急に対応すべき課題はどれか」等というように、一つひとつの課題の特徴を吟味していきます。

その際、その考えの様子や思考のプロセスのすべてを紙に書き込むようにします。そうすることで、しっかりと地に足をつけた状態で考えを前進させていく、深めていくことができます

頭の中だけでの思考は、考えや情報をしっかりと認識できていないまま進められるので、書きながらの思考に比べ効率は落ちてしまうでしょう(ただ個人差はありそうです)。

繰り返しますが、「9マスに課題を記入してそれらをしっかりと認識する」「書きながら考える」という作業はすべて、考え抜く力を鍛えるためのものです。

 

そして、個々の課題の優先順位等を判断することができたら、あとはそれらを順序よく組み立てていけば解決に向けたシナリオ(案)の完成です。

なお、ここでの作業で用いた9マスを1つの単位として、それを合計で9個組み合わせたものはマンダラチャートと呼ばれています。

あの大谷翔平選手も高校生の頃に取り組んでいたものということで、いま大きな注目を集めている目標達成シートです(下図)。

 

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新しい価値をいかに創造するか

より確実に新しいアイディアを生み出していくためには、既存のアイディアを組み合わせ、そこからヒントを得ていくという方法があります。

そのためには、既存のアイディアを視覚的にまとめて認識できている状態が理想的で、その理想となる形は、まさに上で説明した記入済みの9マスそのものといえるでしょう。

今回の例では、チーム内のコミュニケーションを活性化させることにつながる、新しいアイディアを考え抜くという形になります。

 

また、マンダラチャートは一度だけ行えばよいものではなく、何度も繰り返し取り組むことが、マンダラチャートの開発者からも推奨されています。

その訳は、繰り返し取り組むことで多様なアイディアが頭の中で整理されていき、記入される内容が本当に大切なものへと洗練されていくからです。

なので、はじめてマンダラチャートに取り組む段階では、記入内容が正解か否かを悩む必要は一切ないというわけなんですね。

つまり、新しい価値を創造していくために必要なことは、あるテーマについて繰り返し考えながら既存のアイディアの質を高めていくこと、次にそれら洗練されたアイディアの幅広い組み合わせを検討しながら、これまでにないアイディアを導き出していくということです。

繰り返しますが、これらの作業を地に足を付けた状態で行う、しっかりと視覚的に認識しながら行うために必要なことは、紙に書きながら考えるということですね。

 

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まとめ

自らの考えを適切な言葉で言語化し、それを可視化しながら考えるという行為は、効果的な思考のトレーニングです。

ただ、言語化の際は自分の想いや考えを正確に表現していく必要があるので、語彙力も必要になってきます。

改めて、社会人基礎力の一角「考え抜く力」を鍛えるために必要なものを挙げるとすれば、以下の3つになるでしょう。

  •  疑問に思う力
  •  語彙力
  •  紙に書いて考える習慣

そして、最後に挙げたものが難易度的には最も簡単で、かつ最も重要なものといえます。『いいかも』と思った方は、ぜひ今日から試してみてくださいね。


 

この記事ではねんど130さんによる素材をしています。

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