成長曲線とは|能力上達に向け努力を継続する方法7選!目撃談・体験談も

行動する・習慣
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私たちの生活には語尾にスキルが付く言葉を多数見ることができます。例えば、コミュニケーションスキルコーチングスキルビジネススキル英会話スキル等です。

これらは、それ自体が生まれつき備わったものではなく、練習や訓練を通して誰でも身につけることができる後天的な能力・技能であることを意味しています。

この記事では、ある能力が練習や訓練を通して獲得されていく様子と、そのような成長に向けて努力を継続するための方法について述べていきたいと思います。

この記事を書いた人
しまもと

法政大学スポーツ健康学部准教授 / 専門は自分づくりを支援するライフスキルコーチング / 20年以上にわたり自分づくりの教育・研究を専門的に行う / 大学では毎年300名以上の学生にスポーツ心理学をベースに自分づくりの授業を行う / 大修館書店による月刊「体育科教育」の巻末エッセイを奇数月に担当中

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成長曲線とは

私たちはこれまでに多くの能力を身につけてきました。

代表的なものとしては、二足歩行の能力をはじめ、コミュニケーション能力や日本語を話す能力、自転車や自動車を運転する能力、ブラインドタッチの能力等々です。

 

これらは本人の練習や訓練を通して身につけられてきたわけですが、上達するまでにどのような軌跡を描いてきたのでしょうか。

私たちの理想としては、以下のような図であると思われます。上達に向けて努力をしたら努力した分、成果が得られるという形ですね。

 

 

ですが、実際は以下のような軌跡を描くといわれています。

 

 

図中の赤の曲線は成長曲線と呼ばれています。

それによると、ある能力が上達していくまでの過程では、一定期間、努力して練習や訓練を継続してもほとんど上達が見られな状態がつづいていくとされます。

ですが、あるポイントを境にして、指数関数的に能力の上達が見られていくというわけです。そして、上達レベルが急激に変化するポイントがブレークスルーです。

 

さらにいえば、ある能力の上達を目指す多くの人が、このブレークスルーに到達する前にその努力を止め、諦めてしまうということです。

その原因の一つは、理想と現実とのギャップを『自分には能力がない』『自分にはできない』等とネガティブに受け止めてしまうからです。

したがって、ある能力を確実に上達させていくためには、このブレークスルーに到達するまでの期間を、いかに乗り切ることができるかにかかっているといっても過言ではないでしょう。

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成長曲線におけるブレークスルーの目撃談

私は大学では器械運動の実技授業を担当しているのですが、そこでのブレークスルーの目撃談を紹介させていただきます。

器械運動では倒立や側転といった、非日常の運動スキルの習得が課せられます。当然ながら、多くの学生たちは練習を重ねてもすぐには上手くできません。

全15回の授業回が進むにつれ、途中で諦めて練習を止めてしまう学生と、なかなか上手くできなくても練習を継続する学生へと分かれていきます。

前者の学生はそれ以上上達することは難しくなってしまいますが、後者の学生は授業回の終盤に差し掛かると、ポツポツと上手くできるようになり、その後まもなくして文句なしにできるタイミングがやってきます。

それ以降は何度でも繰り返しできるようになり、あのタイミングがブレークスルーであったと後で振り返ることができました。

忍耐強く努力を継続していけば、必ずブレークスルーに到達することができるということでしょう。

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成長曲線におけるブレークスルーの体験談

次に、私自身のブレークスルー体験談を2つ紹介をさせていただきたいと思います。

先ほどの目撃談は運動技能上達に関する内容でしたが、体験談は知的活動に関するものとなります。

 

知的活動における体験談1 : 研究者を目指す過程で…

私は、大学を卒業後の23歳になる年から、心理学関連の研究者(大学教員)を目指す勉強を『1』から開始しました。

当然ながら、最初の段階はとにかく必要な知識を詰め込み、吸収するのみ。。

次に、それらの知識をもとに見様見真似でゼミでの発表資料を作ったり、レポートや論文をなんとか書き上げてもダメ出しを受け続けてしまう。。

さらに、研究者へのライセンスともいえる学位を得るために自分の研究の成果を発表しようとするのですが、どこか空回りする日々。。

 

ですが、『1』から勉強をはじめて5年ほどが経過した時、ある不思議な感覚がありました。

それはいままで頭に入れてきた知識が自分の中で体系的にまとまりはじめ、その全体像をとてもよく理解できるようになってきました。

それに伴い、研究活動も効率よく進められるようになり、無事に学位を取得することができたという流れになります。

 

知的活動における体験談2: ブログ執筆の過程で…

私自身はコロナ禍が始まった2020年の末頃よりブログ執筆を開始したブログ初心者です。

開始直後は、自分の記事をweb上に公開することに楽しさやうれしさを強く感じ、意欲の赴くままに記事を投稿しつづけました。

当然のことながら、投稿しても投稿してもアクセスはほとんどなく、自己満足の期間がしばらくつづいていきました。

 

ですが、3か月後を経過したあたりから変化が見られるようになりました。

1日に10pvを達成する日がポツポツと見られるようになり、30pv、50pvと1日のアクセス数の最高を更新しつづけるようになりました。

そして、ブログを開始して半年が経過したある日、一つの節目とされる1日100pvを達成することができました。

下の図は、ブログ開始直後からの停滞期の様子となります。この期間は、自身の記事が表示される回数(ネイビー)とクリック数(ブルー)ともに、ほとんどゼロに近い状態であることが分かります。

 

停滞期を過ぎた後は、表示回数とクリック数ともに、おかげさまで増加傾向にあります。本サイトをご覧になっていただき、本当にありがとうございます!

 

2つ目の事例は、ブレークスルーに到達したというには時期尚早かと思いますが、停滞期を脱した体験談として紹介をさせていただきました。

ここまでの内容をまとめますと、成長曲線とは運動技能に限らず、学力向上をはじめとした人間の知的活動にも適用していくことができるといえますね。

 

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成長曲線に沿って努力を継続するための方法

ではいよいよ、ブレークスルーの段階に向けて、粘り強く努力を継続していくための方法について述べたいと思います。ここでは7つの方法について言及します。

 

方法1 : 能力が上達していくまでの軌跡を知る

やはり最初は、ある能力が上達していく際の現実的なプロセスである成長曲線について知ることが必要と思われます。

 

先に述べました私の器械運動の授業でも、第1回目のオリエンテーションではこの成長曲線を提示し、努力を継続することの大切さを学生たちに伝えています。

ですが、そのことを全15回の授業を通して明確に覚えている学生はほとんどいませんので、定期的に繰り返し提示することが望ましいといえるかもしれません。

また、たとえ上手くできなくとも、それは失敗ではなく『ブレークスルーに向けて成長曲線上を一つ前進することができた』等と、ポジティブにとらえることができるとより望ましいと思われます。

 

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方法2 : 成長マインドセットを身につける

先ほどの器械運動の例において、努力継続の有無を分けたものの一つは、練習次第で自分の能力は高めていくことができるといった「成長マインドセット」の有無ではないでしょうか。

自分の能力はもう変えることはできないといった「固定マインドセット」を持つ場合、練習をしてもできないという事象は、自身のマインドセットを強化することにつながってしまい、やはり努力の継続は難しくなってしまうでしょう。

二足歩行の能力や日本語を話す能力、自転車に乗る能力等、これまでに自分が練習を通して身につけてきた能力を冷静に振り返ることで、成長マインドセットの形成を促していくことができるかもしれません。

 

方法3 : 上達した時の姿をイメージする

例えば、ジャグリングを上手くできるようになりたいと思う人がいたとします。

その場合、自分がジャグリングのパフォーマンスを上手くできている姿を頭の中でイメージしていきます。そうすると、未だ上手くできていない現状との差を強く感じられるようになっていきます。

その現状と理想とのギャップが、あなたを上達へと導く強力なモチベーションとなり、ブレークスルーまでの停滞期を突破する原動力となってくれるはずです

イメージそのものは私たちの自由ですので、まずは理想の姿を思い描いてみてはいかがでしょうか。また、繰り返しイメージしていくことで、その鮮明度も徐々に高まっていくものと思われます。

鮮明度が高まれば高まるほど、現状との差もより明確に意識され、上達に向けたモチベーションはさらに促されていくのではないでしょうか。

 

方法4 : ポジティブなセルフトークを増やす

何かチャレンジをして上手くできない時に、すぐに『ダメだ。。』『無理!』といったネガティブな言葉が口から出てしまう人は、上で述べた固定マインドセットを強化してしまうことになります。

口癖ともいえる独り言を「セルフトーク」といいます。セルフトークの内容は、聴覚から認識されることで自分自身に影響を及ぼします

その内容がネガティブなものであれば、負のイメージが強化されてしまうということです。

成長マインドセットを手に入れるためには、『大丈夫、大丈夫!』『自分はきっとできる!』等と、ポジティブなセルフトークを発していくことが望まれます。

 

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方法5 : 現状の一つ上の目標を設定しつづける

ブレークスルー到達を唯一の目標としていると、そこに至るまでにある程度の時間が必要となるため、徐々にやる気が低下し、途中で息切れしてしまうことになります。

長期間にわたり努力を継続していくためには、途中で小さな満足感や達成感、充実感を定期的に得ることができる工夫が必要になってきます。

そして、それを可能としてくれるのは小さな目標設定に他なりません。もっといえば、現状の一つ上の目標設定であり、ブレークスルーに至るまで一つ上の目標を設定しつづける、そして、それを達成しつづけるといった形です。

ブレークスルー到達までのプロセスを上手くスモールステップにする、それを可能とするのは目標を設定するスキルです。

 

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方法6 : 他者評価を求めすぎない

人は誰しも周りから褒められたり、評価されたりするとうれしくなり、その後の活動へのモチベーションもアップしていくことが期待されます

ですが、そのようなプラスの評価は、自分が欲しいと思っている時に必ずしももらえるわけではありません

自らの活動や努力が評価されるというのは、自分自身ではコントロールできないところがあるのではないでしょうか。

そのため、プラスの評価を求めすぎてしまうと、結果として、モチベーションの低下や努力をやめてしまうことにつながってしまいます。

上達や成長に向けて努力を継続していくためには、自分自身で満足できる部分を持っておく必要があると思います。

例えば、私の場合、ブログを開始してから3か月間は外部からのアクセスはほぼなく、Googleからも全く評価されてはいませんでした。

ですが、自分のブログが少しずつ形になっていくのがうれしくうれしくて、それに満足できていたので、なんとか執筆を継続できたのではと思っています。

もちろん、周囲から評価されるのを否定するわけではありませんが、最初の頃は、『評価が欲しい!』よりも、評価されたらラッキーという程度で構えておいた方が良いかもしれません。

方法7 : ともに努力できる仲間を確保する

長い間、一人で頑張りつづけるというのはよほどの人でない限り、なかなか難しいものではないでしょうか。

私の場合も、正式に大学の教員として採用されるまでに約10年の歳月が必要となったのですが、その間ずっと、机を隣り合わせながら、ともに努力をした仲間がいました。

その彼も、私の就職が決まってまもなく、無事に大学の教員になることができました。

 

そのようなお互いに刺激を与え合いながら、切磋琢磨できる仲間がそばにいることは、長期にわたりモチベーションを維持するためにもとても大切であるといえます。

クラスのメンバーや部活動のメンバー、パートナー、いまではSNSを通してもそのような仲間を確保することは可能であると思います。

特に大学生の卒業研究の場合であれば、そのような仲間は同じゼミに所属するメンバーになってくるはずです。

努力を継続していくためには、このような環境面にも意識を向けていく必要があると思います。

 

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成長曲線におけるブレークスルーに早く到達するための方法

人は誰しも早く結果を出したいと思うはずです。これは『早くブレークスルーのポイントに到達したい』に言い換えることができると思われます。

そのための方法とは何か?

それは圧倒的な努力を継続すること以外にないのではないでしょうか。

例えば、ある人が毎日3時間努力しているのであれば、自分はほぼ毎日8時間努力してみるといった感じです。

ただ、この点については自分自身の体力とよく相談する必要があると思います。20代ならまだしも、あなたが40代以上の年代の場合は、当然ながらあまり無理をし過ぎるのは禁物です。

そのような年代の方は、自分に合ったペースを見出しつつ、時間的余裕があったり体調が良い場合はいつも以上に頑張る、といった姿が理想的ではないでしょうか。

 

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もう一つ重要な点は、『結果を出したい』という願望を強く持つということです。

願望が強くなればなるほど、努力を努力と思わないほどに毎日そのことに打ち込むことができるようになります

周りから見ると大変な努力をしているようなのですが、本人からすると努力ではなく、そのことに打ち込むのが楽しくて楽しくてしょうがないといった感じです。

 

私も子どもの頃、テレビゲームが好きで好きで、一日何時間でも食事もせずにゲームに熱中していました。確かに、そこに『努力している』との認識は全くなかったですね(笑)

また、その時の願望は『キャラクターのレベルを上げたい!』『このゲームをクリアしたい!』というものであったと思います。

 

では、そのような願望を強く持つために必要なものとはなにか?

私自身は、目標の先にある目的を設定することが有効であると考えています。目的とは、簡単にいえば『なぜ、その目標の達成を目指すのか?』という理由に該当するものです。

先のテレビゲームの例であれば、『なぜ、このゲームをクリアしたいのか?』に当たるのが目的です。

当時の自分の心境としては、『友だちに自慢したい』『私自身のゲーマ―としてのレベルを上げたい』といったものが目的になっていたと思います。

そのような目的を自分の中でより明確に認識することで、あなたのその願望はより強くなっていくことが期待されます。

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まとめ

ブレークスルー到達に向けて努力を継続するためには、『しばらくの間は上手くできなくて当たり前』というようにとらえることが必要です。

上手くできない=自分にはできない、自分には無理、自分はダメな人間等と、決して否定的な思い込みにつなげないでください。

なかなか上手くできなくとも、成長曲線の上を一歩一歩、前進することはできているはずです。上手くできなくても、少しずつ成長しつつあることは事実ですね。

 

カテゴリー:目標設定

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