こんにちは。あなたの自分づくりをサポート「しまらぼ」のしまもとです。
周知の事実ですが、自信そのものは人の成長に大きく影響します。その理由は、自信の有無がその人の成長に不可欠な行動の有無に直結してくるからです。
この記事では、自信の中でも「根拠のない自信」に焦点を当て、それを身につけていくための方法について詳しく解説していきたいと思います。
根拠のない自信とは
根拠のない自信を簡単に表現すれば、ある問題や課題に対して抱くポジティブな見通しや心境のことで、『自分にはきっとできるはず!』というものです。
また、その問題や課題とは本人が未だ経験したことがないものであったり、客観的にみて達成や解決が容易ではないものといえます。
そのような未知なる問題や課題に対して、自分を信じて果敢にチャレンジしていける原動力となるのが根拠のない自信といえます。
また、その途中で困難に遭遇したり、状況が厳しくなったとしても、『自分にはきっとできる』という気持ちが心の支えとなり、結果として最後までやり切ることにつながるでしょう。
このように考えると、根拠のない自信は私たちの成長の度合いに非常に大きな影響を及ぼしているといえますね。
根拠のある自信とは
根拠のない自信の反対にあるのが根拠のある自信で、「何かを達成した」「名誉ある賞を受賞した」「多くの人から称賛を受けた」等といった明確な根拠が伴う自信です。
根拠のない自信を身につける方法の箇所で後述しますが、根拠のない自信の土台となるものといえます。
そのため、根拠のある自信は私たちが成長を目指していく上でとても大切な自信となってきますが、以下に述べる2つのデメリットがあると考えられます。
デメリット1 : 根拠が失われると消えてしまう
わかりやすくスポーツを例に説明します。仮に、あなたが何かタイムを競う競技で新記録を樹立したとします。
その直後は新たな記録を打ち立てた偉業を周囲も称えてくれるとともに、本人もその記録を誇らしく思い、自信満々といった心境でしょう。
ですがしばらくしてその記録が更新されると、人々の注目はその新たな記録に集まるとともに、自分は過去の人になってしまいます。
つまり、本質的には根拠が失われてしまったため、それに伴い自信も消失してしまう可能性があるということです。
ただ、「ノーベル賞を、アカデミー賞を、国民栄誉賞を受賞した」等といった飛びぬけた業績の場合は、根拠が失われる心配はなさそうですが…。
デメリット2 : 有効期限がある
根拠が発生した直後は、『次も頑張ろう!』といった形で本人の成長を強力に促すものになりますが、その影響は長くは続かないでしょう。
なぜなら、その自信の根拠はどんどん過去のものになっていくからです。よくいわれるように人間は忘却の生き物です。成功や実績の記憶はどんどん薄れていきます。
その根拠を達成した頃の自分といまの自分とは明らかに異なるため、自信を生み出す根拠としての有効性は残念ながら徐々に低下してしまいます。
つまり、根拠のある自信には有効期限があるととらえることが賢明です。
余談ですが、過去の成功や実績を持ち出してアピールし、承認欲求を得ようとする際には注意が必要です。
本人はそれで満足かもしれませんが、そのアピールは周りに届きづらいどころか、逆にひんしゅくを買ってしまいます。
根拠のある自信の元となっている、過去の成功や実績を自らひけらかすことは極力避けた方がよさそうです。
それらを自分からアピールするのではなく、謙虚に自分の中にしまっておいた方が、あなたへの評価は高くなることが期待されます。
◆ カテゴリー:ストレス
◆ カテゴリー:コミュニケーション
根拠のない自信の強さ【図解】
根拠のある自信のデメリットを踏まえた上で、根拠のない自信の強さを確認しておきたいと思います。
まず、当たり前ですが、根拠がないわけですから根拠が失われる心配はありません。つまり、周囲の状況にその自信が脅かされる危険性は少ないことになります。
一方の「有効期限」については、以下の述べる理由から無期限になる可能性が高くなります。
この記事の冒頭で述べたとおり、あなたが何等かの成功や実績を手に入れるためには行動(努力)が必要です。そして、その行動の有無に直結するのが自信の有無になります。
つまり、根拠のない自信があることで成功や実績を高い確率で手に入れることができ、それにより『やればできる!』という自己肯定、さらには根拠のない自信の強化につながります。
お分かりのとおり、ここには以下の図のような好循環が見られることから、根拠のない自信には期限は見られないといえるのではないでしょうか。
根拠のない自信を身につける方法
根拠のない自信を身につけるための方法を10コ、解説していきますね。
方法1: 自分のことを受け入れる
根拠のない自信があるときとは、自己肯定感が最高に高まっている状態であるともいえます。であれば、自分のことをとことん肯定していけば、根拠のない自信を身につけられると思われるかもしれません。
ですが、私自身はその肯定感を高めていく前に、ありのままの自分を受け入れるという自己受容のステップが必要ではないかと考えています。
なぜなら、自分のことを認め、それを受け入れることができていないと、どうしても自己否定の感情が顔を出し、自己肯定の作業どころではなくなってしまうからです。
では、自分のことを受け入れるために必要なこととは一体なんでしょうか?それは一言でいえば自己理解であるといえます。
『なんで自分ってこうなんだ。。』と誰でも思い悩むことがあると思います。ですが、そもそも自分はそのような性格だったり、特徴を有しているということが客観的に示されたらどうでしょう。
『あー、そういうことだったのか』『それならしょうがない』と腑に落ちた感じになり、自らの現状を認め、それを徐々に受け入れていくことができるのではないでしょうか。
その受け入れた自分はあくまでも現状での様子です。本人の努力次第で改善できていく部分もあるはずです。
より良い自分を目指していくという前向きな姿勢を形作っていくためにも、まずは自己理解を通してありのままの自分を受け入れるという作業がとても大切になってくると思います。
◆ カテゴリー:自己理解
方法2: 諦めないことによる成功体験
根拠のない自信を身につけるためには、『自分ならできる!』といった自己の能力を信じる気持ちがとても大切になります。この気持ちは専門的には自己効力感といわれるものです。
自己効力感を身につける上で成功体験は不要との見方もありますが、ここでは成功体験の積み重ねが自己効力感を育むとのスタンスで述べていきます。
ここで重要となる成功体験を具体的に説明すると、それは最後まで諦めずに取り組みつづけ、最終的に自らが望む結果を手に入れることができたという体験になります。
また、以下のような比較的小さな成功でもいいものです。
間に合いそうになかったが、諦めず集中して取り組みつづけ、期限ギリギリに課題を提出することができた
間に合いそうになかったが、一心不乱に取り組みつづけ、時間内に作業を終えることができた
一見、非常に困難に見えるような状況でも、決して諦めなければ状況を打開していけるという経験を積んでいくことはとても大切です。
そのような経験を通して自己の能力に徐々に自信が持てるようになり、それは最終的には根拠のない自信の形成につながっていくはずです。
方法3: 重要な他者からの褒め言葉
あなたにとって大切な人は誰ですが?子どもであれば育ての親、児童・生徒であれば学校の先生、スポーツ選手であればコーチ、社会人であれば会社の上司であると思います。
結論からいえば、そのような人物からの発言や評価は、本人の自信の形成において極めて重要な役割を果たしています。
あなたにとって重要な人物から褒められることがあったならば、その効果を最大限に活かしていくべきです。
『たまたま褒められた』『いやいや自分なんか』『自分ではなくみんなのおかげです』と謙遜している場合ではありません。対外的にはそのように謙虚に振る舞いつつも、内面ではおもいっきり自分のことを褒めてあげてください。
根拠のない自信を強化する強力なエネルギーになるはずです。もし、あなたが誰かに褒め言葉を提供できる立場にあるならば、ぜひこの点を再認識していただければと思います。
◆ カテゴリー:コミュニケーション
方法4: 重要な他者からの同意
ここでの同意とは、『自分は○○ができるだろう』といった根拠のない見通しに対する、『そう。お前ならきっとできるはず!』という評価を重要な他者からもらえるということです。
育ての親やその役割を担う人物、学校の先生や部活動の指導者、信頼する会社の上司等からの同意ということになります。
自分のことをよく知ってくれている人物からお墨付きをもらえたということなので、『自分は○○ができるだろう』の気持ちはさらに強化されていくはずです。
方法5: できた自分の拡大解釈
根拠のない自信が形成される過程を考えると、その土台にはやはり「根拠のある自信」があると思います。
その得られた自信をどのように評価するかが鍵になります。つまり、根拠のある自信を拡大解釈していくことによって、根拠のない自信へアプローチしていくということです。
『自分はこれができたわけだから、もっと頑張ればこんなことも、あんなこともできるはず』といった感じですね。言い換えれば、プラスの方向での思い込みを強くしていくカタチです。
そして、そのような思い込みを後押ししてくれるものの1つが、先に述べた重要な他者からの褒め言葉や同意になります。
そのような思い込みが最大限に強化された姿が、根拠のない自信がある状態といえそうです。
といいつつも、人によって自己評価の厳しさには個人差があります。根拠のない自信の形成を進めやすいのは、どちらかというと自己評価がマイルドな方ではないでしょうか。
方法6: 他者からのいい加減なマイナス評価を真に受けない
あなたが抱く目標ややりたいことに対して、『どうせできないよ』『やめておいた方がいいよ』『○○君・○○さんには無理だよ』といったマイナス評価を受けた時、あなたならどのように感じますか?
『やっぱりそうなのかな』と受け入れてしまいますか?私自身は、このようなネガティブな評価は、客観的な一意見として参考にしつつも、真に受けて自信を低下させる必要性は一切ないと考えています。
なぜなら、これらネガティブな意見は、その評価を与えてくる人自身の経験や実績にもとづいており、あなたをもとにして厳密に検証されたものではないからです。
周りはあなたに対して好き勝手に評価を与えてきます。であるなら、それを受け入れるかどうかも、あなた自身が好き勝手に決めていいはずです!
◆ カテゴリー:ストレス
方法7: 根拠のない自己否定を減らす
私もそうですが、『自分はダメな人間だ』と落ち込んだしまったことがある人は多いのではないでしょうか。でもこれって、よく考えてみると「根拠のない自己否定」であるといえます。
例えば、コミュ障で悩んでいる人が自分の対人面を否定してしまうのは分かりますが、それをさらに拡大解釈して、『自分はダメな人間だ』と決めつけてしまうのはナンセンスです。
自分の悩みの根源がどこにあるのかを見失ってしまうと、根拠のない自己否定が暴走してしまいます。
例えば、信頼のできる人に相談してその悩みを言葉にしてみてください。頭の中が整理され、悩みの本質ときちんと向き合うことができるはずです。
◆ カテゴリー:考える
方法8: ネガティブなセルフトークを減らす
あなたは日々、どのような言葉を使っていますか?もっといえば、どんな独り言を発していますか?
もしそれが、『やばい』『どうしよう』『ダメだあ』といったネガティブなものである場合は注意が必要です。それらは専門的にはセルフトークと呼ばれます。
そして、セルフトークは多くの場合、瞬間的かつ習慣的に発せられ、その人自身のイメージ(セルフイメージ)の形成に影響を及ぼしています。
個々の言葉が影響を及ぼしてしまうのは、その発言の内容を自分の耳から客観的に聞くことで、頭の中で考える時よりも認識を深めてしまうからです。
しかもそれが習慣的に繰り返されるとなれば、その影響は決して小さくはなさそうですよね。ということで、根拠のない自信の形成に向けては、普段の言葉づかいからポジティブなものへと変えていく必要があります。
◆ カテゴリー:行動する・習慣
方法9: 失敗時のリフレーミング
根拠のない自信の形成過程で負の影響を及ぼしてしまうのが、失敗と呼ばれるネガティブな経験です。
ここで、それらをネガティブな経験と書きましたが、上手くできなかった経験を「失敗」と決めつけているのは本人であり、それが本当に失敗であるかは長期的視点で物事を見てみないとよくわかりません。
例えば、上手くいかないことである重要な視点が見つかり、次はそれをしっかりと抑えることで、本当の意味での成功を手に入れることができる可能性があります。
私たちは日々遭遇したり経験したりするさまざまな出来事を自分なりの見方でとらえ、その意味を解釈しています。
つまり、何か上手くできなかったことがあった場合、失敗と解釈することができれば、『次への教訓を得ることができた!』とプラスに解釈することももちろん可能です。
後者の受け止め方は、専門的にはリフレーミングと呼ばれています。
直面する問題や課題に取り組む過程では、当然上手くいかないことも数多く経験するでしょう。それら一つひとつをどのように受け止め、解釈していくかの違いは、思いのほか大きいといえるのではないでしょうか。
◆ カテゴリー:ストレス
方法10: 後悔を少なくする
日頃、後悔ばかりしてしまう人は、根拠のない自信を身につけていく上では要注意です。
根拠のない自信とは、いわば理想とする自分の姿の実現に向けて発揮されていくものです。ベクトルでいうと、未来(自己実現)に向けてエネルギーを発揮していく形ですね。
しかし、『あの時、○○すればよかった』『なんであの時、○○しなかったんだろう』等と後悔が多い人は、そのエネルギーを過去に向けて発揮してしまっています。
未来に向けて発揮すべきエネルギーが少なくなってしまっては、根拠のない自信を形成することにおいて足を引っ張ることになってしまいます。
1日に使えるエネルギー量は無限ではなく有限なので、そこは意識的に有効に使いたいものですね。
後悔そのものにもプラスの面があるので、『後悔してはいけない!』と今の自分を全否定する必要はありません。
『ま、いっか!』を合言葉に、後悔の回数を徐々に減らしていけるといいと思います。
◆ カテゴリー:ストレス
子どもたちの成長を促す根拠のない自信
子どもたちにとって、日々の生活の中で遭遇する問題や課題の多くは、当然ですがはじめて経験するものばかりです。
それを大人に当てはめていえば、毎日がチャレンジの連続ということになり、その日常と向き合う姿勢には根拠のない自信が大きく関係しています。
つまり、子どもたちが大人に向けて積極的に多くの経験を積み、精神的かつ人として大きく成長していけるかどうかは、根拠のない自信の有無にかかっているといっても過言ではないでしょう。
そんな子どもたちの根拠のない自信を育む鍵を握っているのは、やはり「方法2」で述べた、育ての親をはじめとする重要な他者からの褒め言葉ではないでしょうか。
現在、私自身も子育てに携わっていますが、徐々に自信を身につけていく様子からも、褒め言葉の大切さを日々実感しているところです。
根拠のない自信の注意点
最後に、根拠のない自信における注意点に言及しておきたいと思います。それは自信にはその人の成長を促すという役割があるということに関してです。
つまり、『自分はやりさえすればちゃんとできる!』と主張したり、態度に示してばかりで、実際に結果を出すための行動が伴っていなければ、その自信は歪んだものとして周囲には映ってしまうおそれがあります。
言い換えれば、行動の伴わない自信はもはや自信ではなく、「根拠のない自己主張」に置き換わってしまっているということです。
『やればきっとできる』と自分に言い聞かせて、行動しつづけていくことができてはじめて、それは根拠のない自信であるということができます。
まとめ
最後に改めて、この記事で紹介した根拠のない自信を身につける方法を一覧で示します。
- 自分のことを受け入れる
- 諦めないことによる成功体験
- 重要な他者からの褒め言葉
- 重要な他者からの同意
- できた自分の拡大解釈
- 他者からのいい加減なマイナス評価を真に受けない
- 根拠のない自己否定を減らす
- ネガティブなセルフトークを減らす
- 失敗時のリフレーミング
- 後悔を少なくする
結局のところ、根拠のない自信を身につける起点は「小さな成功体験」であるといえ、そのようなプラスの結果をいかに生み出すことができるかが最も重要ではないでしょうか。
どんなに小さなことでも、『できた!』と思える経験を尊いものとして大切にし、それを自分へのエネルギーや自信に変えていく。誰も気づかないような小さな芽を、大樹に向けて大切に大切に育てていくイメージですね。
そのような生産的な流れを自分の中に上手く構築することができれば、根拠のない自信が身につくのはもはや時間の問題だと思います。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
お時間があれば、また次の記事でお会いしましょう!
コメント