自己受容とは【例文あり】どうすれば自分のことを受け入れられる?

自己理解
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最近、ネットでは赤の他人の問題点を指摘する記事が多いと思いませんか?『この人はこんな悪いことしてますよ!みんな見てくださーい!』といった感じです。

もちろん、大きな影響を及ぼしそうな問題行動の放置は望ましくないですが、他者を否定する風潮ばかりが社会に蔓延してしまうのもどうかと思います。他者否定は自己否定の表れでもあるからです。

この記事では自己否定の対にある自己受容に着目し、自己を受け入れるメリットとその方法について述べていきたいと思います。

この記事を書いた人
しまもと

法政大学スポーツ健康学部准教授 / 専門は自分づくりを支援するライフスキルコーチング / 20年以上にわたり自分づくりの教育・研究を専門的に行う / 大学では毎年300名以上の学生にスポーツ心理学をベースに自分づくりの授業を行う / 大修館書店による月刊「体育科教育」の巻末エッセイを奇数月に担当中

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自己受容とは

端的にいえば、ありのままの自分を否定せずに受け入れるということです。一見、簡単そうですがなかなか難しいです。

私たちは理性的には理想の自分の姿をイメージし、その実現に向けて日々懸命に活動しています。その活動の原動力となるのは理想と現実とのギャップです。

そのギャップを目の当たりにし、『早く理想の姿に近づきたい』と動機づけられるわけです。つまり、いまの自分の姿は未完成の自分でもあります。

そのような自分をスムーズに受け入れることができるのか、というと確かに難しそうですね。『こんな自分ではダメだ』という自己否定の気持ちも当然出てくるでしょう。

ですが、自己受容をすることで、より確実に理想の自分に近づいていくことができます。まずは後述する自己受容のメリットを確認してみてください。

 

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自己受容のメリット

ここでは3つのメリットを紹介していきます。

メリット1: 自己否定が減る

ありのままの自分はまさに突っ込みどころ満載ですが、そんな自分を受け入れ、認めることができれば、それをあえて否定する必要性は無くなります。つまり、自己否定の様子が減るということですね。

この自己否定は、自分を信じる力である「自信」の形成において悪影響を及ぼす非常にやっかいなものです。

それを減らしていけるので、自己受容が進めば進むほど、あなたは順調に自信を高めていけることになります。理想の自分を実現していく上で、自信ほど大切なものはないはずです。

 

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メリット2: 完璧主義を和らげていける

完璧主義の人は『絶対にミスや失敗はしてはならない』と考えてしまいます。

でも、時にそのような行為をしてしまう自分を受け入れることができれば、それは失敗やミスそのものを受け入れることにもつながっていきます。

完璧主義の人は「なんでも完璧を目指そう」といった偏った物の見方が強化されています。

そんな見方を柔らかくしていく上で、「失敗やミスは必ずしも悪いものではない」という柔軟な認識は貢献していくことができます。

 

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メリット3: 他者を受容できる

「いじめ」を端的にいえば他者否定です。他者を否定する人は、実は裏では自分自身のことも否定してしまっている可能性があります

その点、自己受容ができていれば自己否定が少なくなります。自己否定が減ればいじめの元である他者否定も無くなっていき、他者を受容できるようになっていくはずです。

他者を受け入れられる寛容な人はきっと円滑な人間関係を構築できます。そのような良好な環境は確実に自分にもプラスになっていきます。

 

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自己受容の例文

自己受容のメリットを確認した上で、自己受容の進め方を典型的な例を3つ挙げながら説明します。

例文1: 失敗やミスをしてしまう…

 失敗やミスをしてしまう自分はダメな人間だ。。

上のような自分を受容するということは、『失敗しても別にいいじゃん』『全然気にしない』といった、ただ落ち込まないようにする様子とは少し違います。どちらかというと以下のような感じです。

 失敗やミスは子どもから大人まで、誰でもしてしまうもの。それを完璧にゼロにすることはあまり現実的ではない。

つまり、失敗やミスで必要以上に落ち込まなくていい理由を冷静に考えた上で、そのような行為をしてしまった自分を受け入れていく様子が自己受容ということです。

 

例文2: 人間関係が上手くできない…

 人間関係が上手くできない自分はダメな人間だ。。

人間関係が上手くできない主な理由は、コミュニケーション能力が十分に身についていないためといえます。このような自分を受け入れるためには

 生まれつき人間関係が得意な人はそうそういない。自分は人間関係が不得意だが、それはコミュニケーション能力を高める努力をまだしていないだけだ。

こちらも、人間関係の悩みから落ち込んでしまうのを防止する理由を冷静に考えた上で、自己を受容していく様子が述べられています。

 

例文3: 継続できず…

 継続できず三日坊主になってしまう。。

何か新しいことをはじめても三日坊主になってしまう。何度も繰り返していると『だめだな』と思ってしまいますね。これは以下のような感じでとらえていきましょう。

 三日坊主を実感するということは、それだけ新しいことに果敢にチャレンジしようとしていることだ。誰でもチャレンジできるわけではない。

必ずしも三日坊主は悪いことではないことが分かれば、継続できない自分を徐々に受け入れていくことができるはずです。

 

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これらの例からいえることは、自己受容とは『自分はダメだ。でもそんな自分でも頑張って受け入れよう』という単純な話ではないということです。

そこには未完成な自分を受け入れることができる納得の理由が必要です。その理由を見出すためには、ポジティブな物の見方ができなければなりません。

3つの具体例でいうと、ダメだと思う自分を受け入れるために以下のようなポジティブな見方を挟んでいます。

  •  失敗は誰でもしてしまうもの
  •  生まれつき人間関係が得意は人はいない
  •  誰でもチャレンジできるわけではない

つまり、普段からネガティブな考え方をしている人にとっては、自己受容はかなりハードルの高い作業になる可能性があります。

このようなポジティブな物の見方については、後述のトレーニング法の中で再度触れていきますね。

 

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自己受容のトレーニング法

最後に、自己受容のトレーニング法を2つ紹介します。

トレーニング1: 自己理解を深める

例えば、『もっと背を高くしたい』と思っても、両親や家系的に背が高い人がいないとなるとなかなか難しいです。

生まれ育った環境に起因する特徴や、生まれ持った性格の部分について理解を深めることで、『ああ、自分ってもともとこういうところがあるんだ』と、徐々にありのままの自分を受け入れられるようになってきます。

反対に自己理解ができていないと、『なんで自分はこうなんだ…』といつまでも思い悩んでしまうことになります。

また、意識次第でこれから変えていけるところもたくさんあるはずです。ただし、現状に対する正しい認識がないと、そこを起点としてこれから目指す姿を明確に定めることは難しいですね。

 

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トレーニング2: リフレーミングの技能を身につける

3つの具体例で紹介したダメだと思う自分は、とらえ方次第で「必ずしも落ち込む必要はない」と理解していくことができます。

つまり、確実に自己受容を進めていくためには、一見、ネガがティブに思える事象をポジティブにもとらえられる物の見方を身につけていく必要があるということです。

このような見方は専門的にはリフレーミングと呼ばれ、認知的なスキルとして位置づけられます。

スキル・技能なので、練習を重ねれば誰でも習得していくことができるはずです。まずはその感覚を掴むために、以下の関連記事の中でポジティブな物の見方にたくさん触れてみてくださいね。

 

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まとめ

自己受容を進めるためには、あなた自身が周りから受け入れられるという経験も大切です。

最初は育ての親から、次は友だちや親友から、学校の先生から、そしてパートナーからといった流れです。でも、一番確実なのは自分で自分のことを認めてあげる・受け入れてあげることですね。

そんな自己受容は他者受容につながります。他者を大切にできる人は、きっと周りからも大切にされ、受け入れられていくはずです。その起点はやはり自分で自分を受け入れることになります。

この記事があなたの自己受容の営みに少しでも役立つものとなれば幸いです。

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