信頼関係を築く力16選|信頼関係構築力の実態はコミュニケーション能力

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私たちの誰もが周囲と円滑な人間関係を構築したいと願っています。そして、そんな良好な関係の基盤にあるのが「信頼関係」です。特にビジネスの分野では信頼関係の有無は業績に直結するといっても過言ではありません。

この記事では、学校や大学では教わる機会が多いとはいえない、「信頼関係を築く力(信頼関係構築力)」について詳しく解説していきます。

この記事を書いた人
しまもと

法政大学スポーツ健康学部准教授 / 専門は自分づくりを支援するライフスキルコーチング / 20年以上、自分づくりのプログラムと研究に没頭する変わり者 / 石川県七尾市の鵬(おおとり)学園高校普通科にて2024年度から始まったライフスキルの授業の取りまとめを行う

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信頼関係の意味とは

まず、『信頼関係』の意味について確認をします。信頼関係とは、字のごとく、相手のことを信じて頼りにできる関係性のことを意味します。

信じて頼りにするわけですから、信頼できる人物に対しては悩みを打ち明けたり、相談したり、本心を開示することになります。

また、誰もが信頼できる人物と一緒に仕事を進めていきたいと思うはずです。

さらに、このような関係性は、学校教育や大学教育を含めたコーチングの文脈においては必要不可欠なものということができます。

なぜなら、信頼関係があることではじめて、対象者はコーチからの働きかけを受け入れ、自分自身に取り入れていこうと行動するからです。

したがって、学校や大学の先生、部活動の指導者、会社の上司等の立場にある方にとって、コーチングを担当する人物との信頼関係の構築は、非常に重要な検討事項であるといえますね。

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信頼関係の特徴とは

次に、信頼関係に見られる一般的な特徴についても触れておきます。

特徴1 : 構築までに時間を要する

通常、信頼関係は一朝一夕といった短い間で構築されるものではありませんよね。一定期間の交流を経て、徐々に構築されていくものと考えられます。

信頼関係の構築を急ごうとすると変に怪しまれたり、不信感を持たれたりと、逆効果となってしまうおそれがあります。人間関係は焦らずじっくりと進めていく形が丁度良いのではないでしょうか。

 

特徴2 : 崩壊は一瞬

関係構築に多くの時間を要する一方、信頼関係は一瞬にして崩壊してしまうという特徴があります。

相手を騙したり、裏切ったりしてしまうことで、これまでコツコツと築き上げてきた信頼関係は一瞬にして崩れ落ちてしまうので注意が必要です。

また、その後、信頼関係が再構築されるまでには、以前よりも多くの時間が必要となってしまうと思います。

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信頼関係を築くメリット

では、信頼関係を築くことのメリットとはどのようなものでしょうか。

それらのメリットを確認しておくことで、信頼関係の構築に向けてよりコミットしていくことができるはずです。

メリット1 : 人間関係上のストレスを軽減できる

ストレスの原因となるものを専門的には「ストレッサー」といいます。私たちの生活には多くのストレッサーが存在しますが、中でも主要な部分を占めているのが人間関係です。

特に日常的に顔を合わす学校や職場での人間関係は極めて重要で、そこでの関係性が良好であるか否かで、その日のストレスの程度は大きく変わってきます。

日々のストレスを軽減していくための鍵は、周囲のメンバーとの信頼関係の構築にあるといえます。

 

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メリット2 : 周囲からサポートを得ることができる

信頼関係がある関係性では、相手はあなたに何か頼み事をしてくると思います。すると、人間の心理の一つである「返報性の原理」が働き、相手はその後、あなたの力になってくれるように行動してくれるはずです。

◆―関連情報―◆ 返報性の原理――Wikipedia

 

例えば、仕事の面でサポートをしてくれたり、何か役に立つ情報を提供してくれたりすると思います。

仮に、あなたが何か目標を設定してその達成に向けて行動している場合、周囲から得られるサポートをもとに、それを達成できる可能性は高まっていくことが期待されます。

 

メリット3 : リーダーシップを発揮していくことができる

あなたが学校の先生や会社の上司等の立場にある場合、そのリーダーシップをいかんなく発揮していく上で、教え子や部下との信頼関係は極めて重要な要素です。

なぜなら、信頼関係が構築されることで、あなたの指示やアドバイスを素直に受け入れ、取り入れて行動してくれるようになるからです。

新しい年度が始まり、リーダーであるあなたが新メンバーを担当することになった際、優先的に取り組むべきは信頼関係の構築といえます。

また、言い換えると、あなたがリーダーシップを発揮できていると思うならば、それは既に周囲との間に信頼関係が構築できているということになりますね。

以下の「関連記事」では、よく見聞きする言葉である「リーダーシップ」について詳しく解説をしていますので、その意味を改めて確認したい方はぜひどうぞ!

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メリット4 : 人生における満足度や幸福度が高まる

人間にはさまざまな欲求がありますが、その中のいくつかは人間関係に関する欲求です。

例えば、誰かと知り合いになりたい、友達になりたい、どこかの集団に所属したいといった「社会的欲求」をはじめ、周囲に認めてもらいたいという「承認欲求」があります。

また、誰かと友好的な関係になりたい、親密な関係になりたいといった「親和欲求」も挙げることもできます。

これら人との関係性における欲求をスムーズに満たしていく上で、相手との信頼関係は欠かすことができません。

欲求が満たされることで、あなたの日々の生活における満足度幸福度はより高まっていきます。

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信頼関係を築く力とは

ではいよいよ、それらのメリットを享受していくために必要な信頼関係を築く力(信頼関係構築力)について述べていきたいと思います。

 

築く力1 : 自己を開示する

素性がよく分からない人間を信頼することは誰もが難しいでしょう。

信頼関係を構築していくためには、自分はどのような人間であるのか、普段の会話の中で徐々に相手に伝えていくことが求められます。

このような行為は「自己開示」と呼ばれ、学術的にも親密な人間関係を促進する効果があるといわれます。

ただ、いきなり多くを開示しすぎると印象が悪くなってしまうので、その都度、相手との関係性を踏まえながら、自己開示の程度をコントロールしていく必要があります。

 

以下の「関連記事」の中で、コミュニケーションにおける自己開示の重要性について解説していますので、より深く知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

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築く力2 : 挨拶をする

非常に基本的なことですが、挨拶自体は信頼関係の構築においてとても重要です。

こころを込めて相手に挨拶をするということは、目の前の相手の存在を認め、尊重し、真摯に向き合っていることを表しています

会っても挨拶をしない、適当に会釈をするだけ等の対応をする人物に比べると、きちんと挨拶をできる人物は、信頼関係構築の面で一歩先に出ていますね。

築く力3 : 人の悪口をいわない

人間の一連の行いには「一事が万事」という原理があります。

その考え方によると、例えば、あなたにある人物の悪口をいっている人は、あなたに対する悪口もどこかでいっている可能性があるということです。

私たちはついつい人の悪口をいってしまいがちですが、その様子はあなた自身の評価を下げてしまっているかもしれませんね。

どうしても口にする必要がある場合は、あくまでも家庭内に留めておいた方がよさそうです。

 

築く力4 : 秘密を漏らさない

4つ目の力は、要は口が堅いということですね。

誰でも秘密にしておいてもらいたいことを、べらべらと第三者に漏らされると参ってしまうのではないでしょうか。

職務遂行上の守秘義務と同様に、通常の人間関係においても、第三者への情報漏洩には信頼を失ってしまうという大きなリスクが伴うといえます。

 

築く力5 : 相手によって態度を変えない

人によって態度や対応がコロコロと変わってしまうのも、信頼関係の構築においてはNGの姿です。

例えば、自分よりも下の立場へは強く当たる反面、上の立場の人物にはぺこぺことするような対応は、信頼関係構築の面からいうと非常にマイナスです。

関連して、その日の気分によって態度が変わってしまうのもなるべく避けていきたいところです。

『自分はこういうことがあると怒る』といった反応の基準を明確にしておく必要があると思います。

 

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築く力6 : 期限・時間を守る

約束の待ち合わせの時間に遅れる、提出期限を遅れる等の場合も、信頼関係構築の面ではマイナスに働いてしまうおそれがあります。

ただ、やむを得ず遅れてしまう場合は、「どの程度遅れそうなのか」「いつまでには提出できそうなのか」等の情報を事前に伝えるようにします。

そうすることで、「相手に配慮することができる人物」ということになり、逆に信頼関係構築の面でプラスに作用することもあるかもしれません。

 

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築く力7 : メモを取る

これは何かの打ち合わせをしていたり、誰かから指示を受けたりする際の行動を意味しています。

私たちの日常にはいろいろなことが起こります。それに伴い、頭の中の記憶もどんどん更新されていきます

そのため、打ち合わせ時の内容や上司等からの指示をその時に書き留めておかないと、その記録は次第に薄れ、また聞き直す必要性が生じてしまうことがあります。

しっかりとメモを取りながら話を聞いてくれている方が、『信頼できる人物だな』との印象を相手に与えることができます。

もちろん、記憶力に自信がある方は、この項目はスルーしていただいて大丈夫です。

 

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築く力8 : ミスや失敗をした時に素直に謝る

自分の弱みを認めることができるということは、裏を返せば精神的な強さを表しているといえます。信頼できる人物であるか否かは、本人の精神的、心理的な強さも重要な要素になりますね。

そのような精神的な強さを観察する一つの場面が、ミスや失敗をしてしまった時です。

そこでごまかそうとするのか、素直に謝るのか、どちらの対応を選択するかでその人物の評価は決まってきます。

ただ、人間はどうしてもミスや失敗をしてしまうところがありますので、むしろそれは自分の評価を上げるチャンスであると前向きにとらえ、行動してみてはいかがでしょうか。

 

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築く力9 : 失敗後にその状態を挽回していくことができる

誰もが失敗をしてしまうことはありますが、その失敗をそのままにするのか、失敗の状態を積極的に挽回していけるかは個人で違いが見られます。

そして、周囲から信頼を勝ち取ることができるのは、間違いなく後者の方であるといえるでしょう。

失敗を失敗のままにしておくのが、本当の意味での失敗といえるかもしれません。

仮に、あなたがチームの一員であり、何かチーム全体にかかわる失敗をしてしまったのなら、早い段階で気持ちを切り替え、その失敗を果敢に挽回していくことが望まれます。

そのような苦しい時でも、名誉挽回に向けて忍耐強く行動していくことができる姿は、メンタルが強い人の特徴ともいえるのではないでしょうか。

 

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築く力10 : 自分が大変な時でも他者に配慮することができる

人は誰しも忙しくて大変な時や切羽詰まった時は、自分のことでいっぱいいっぱいになってしまいますよね。

そのような自我が強く出てしまいそうな時でも、周りの人に気を配ったり、サポートすることができる人に対しては、信頼を寄せることができるのではないでしょうか。

築く力11 : マナーを守る

公共の場での携帯電話の使用マナーをはじめ、電車やバスといった公共の交通機関の乗車マナー等、私たちの生活にはさまざまなマナーが見られます。

マナーには法的な拘束力はなく、それらを遵守するかしないかの判断は個人の裁量に委ねられています。

あなたはマナーを守る人とそうでない人とでは、どちらに信頼を寄せることができるでしょうか。おそらく多くの人が前者ということになるのではないでしょうか。

周囲の信頼を勝ち取ることができるか否かは、まさに目の前の一つの行いにかかっているといっても過言ではないかもしれません。

 

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築く力12 : 有言実行

口先ばかりで行動できない、実行できない人よりも、きちんと自分が口にしたことを実行できる人物の方が信頼できることは目に見えています。

言い換えれば、有言実行ができる人物は、自分はどのようなタスクをどれだけ実行していけるかという自己理解の部分が、きちんとなされているのかもしれません。

 

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築く力13 : 信念がある

例えば、短い期間に態度や意見がコロコロと変わる相手を信用することは難しくはないでしょうか。

昨日まで『Yes』といっていたことが、今日は曖昧な返事になってしまう人とは、ちょっと距離を取りたくなるような感じです。

人との関係性の中でそのようなブレを少なくしていくためには、自分自身が強く信じて疑わない考えである『信念』が必要と思われます。

信念があることで、さまざまなシーンにおいて一貫した言動を取っていくことができるようになるはずです。

 

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築く力14 : 相手のことを信じることができる

あなたは誰かのことを信じることができるでしょうか。

例えば、教師であれば子どもたちのことを信じてあげるといった形です。

そうすると、この記事の『信頼関係のメリット』の箇所で述べました『返報性の原理』が働き、きっと、子どもたちも先生のことを信じてくれるようになるはずです。

そして、そのことは教師と子どもたちとの信頼関係の構築を力強く促していくことになると思われます。

 

築く力15 : 相手のことを自分自身のことのように対応する

あなたが誰かに相談事をした時に、どこかうわの空で話を聞く人と、親身になって前のめりで話を聴いてくれる人とでは、どちらの人物を信頼することができるでしょうか。

多くの人は後者の人物を挙げると思われますし、私自身もそのように思います。

後者の人物は、たとえ相手のことであっても、自分自身のことのように対応してくれているといえます。

このような人物は、例えば、相手の幸せを自分自身のことのように喜び、祝福してあげることができるでしょう。

また、相手の話を聞く中で、話し手の気づきをさらに促す質問やアドバイスをすることができるなど、相手に対する影響力を行使していくことができます。

その結果として、相手からの信頼感はさらに増していくといえるでしょう。

 

築く力16 : 高度な専門知識と技能

これはあなたが学校の先生であったり、部活動の指導者、また、会社の上司等の立場にある時に、特に必要な要素であるということができます。

やはり、その時々で専門知識や技能にもとづく的確なアドバイスや助言ができなければ、相手はあなたからの指導を受け入れ、行動してくれることは難しくなります。

つまり、あなたがコーチとして生徒や選手、部下等との間に信頼関係を構築しつづけるためには、専門知識を更新する作業、技能のさらなる向上につながる作業を継続する、すなわち、学びつづける必要があるということです。

確かに、学校の先生を養成する大学の教育学部では、『教師は学びつづける存在である』との教育理念が学生たちへ提示されています。

 

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信頼関係を築く力の中核をなすもの

『信頼関係を築く力(信頼関係構築力)』、いかがでしたでしょうか。

この力は非常に多岐にわたるものであることからも、日常におけるあなたのあらゆる言動が、信頼関係の構築に寄与しているということができます。

また、上に記した16の力のうち、以下の内容はコミュニケーション能力に関するものです。

  • 自己を開示する
  • 挨拶をする
  • 人の悪口をいわない
  • 秘密を漏らさない
  • 相手によって態度を変えない
  • ミスや失敗をした時に素直に謝る
  • マナーを守る
  • 相手のことを自分自身のことのように対応する

 

つまり、信頼関係を構築する力とは、私たちが普段から発揮しているコミュニケーション能力が中心的役割を果たしているということができます。

ただ、信頼関係は短い時間で構築されるものではなく、上に挙げたコミュニケーション能力が継続して発揮されることで、徐々に構築されていくものであるということです。

すなわち、信頼関係を築く力の難しさをいえば、『自己を開示する』、『挨拶をする』、『人の悪口をいわない』等のコミュニケーション能力を、長きにわたり発揮しつづけるという点にあるといえるのではないでしょうか。

 

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信頼関係を築く力を自己PR用に言い換える

この信頼関係を築く力は信頼関係構築力とも表現することができますが、就職活動や転職活動の際に披露する自己PR用としては、どこか硬い印象を相手に与えてしまう可能性があります。

そこで、ここでは信頼関係を築く力の言い換え例として、以下の一文を提案させていただきます。

相手と密にコミュニケーションを取りながら、誠実に対応しつづけることができる

 

このような表現とした理由は以下の2点です。

  •  信頼関係を築く力の実態はコミュニケーション能力である
  •  信頼関係とは一定期間、相手との関係性を継続していく中で構築されていくものである

信頼関係を築く力は、相手が誰であれその本質的は部分は変わることはありません。相手と密にコミュニケーションを取り、そして、誠実に対応しつづける中で徐々に構築されていくものということができるでしょう。

 

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まとめ

信頼関係において最も大切なことは、そのような関係をいかに構築するかということ以上に、構築された信頼関係をいかに長期にわたり維持していくかという点になります。

また、長く信頼関係が維持されていたとしても、それが崩壊してしまうのはやはり一瞬であるという点に変わりはありません。

そのことを意識しながら、コミュニケーション能力を中心とした信頼関係を築く力(信頼関係構築力)を、日々の生活の中で発揮しつづけていくことが大切になってきますね。

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