自分探しの落とし穴【図解あり】あなたが探し求める本当の自分ってなに?

自己理解
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自分探しとは簡単にいえば、本当の自分とは何かを探求する作業ということができます。さらにスケールが大きいものとなれば、自分探しの旅と称して、時に海外にまで本当の自分を探し求めていくといった形です。

この記事では、自分探しのゴールともいえる「本当の自分を見つける」ということについて深堀していきたいと思います。

この記事を書いた人
しまもと

法政大学スポーツ健康学部准教授 / 専門は自分づくりを支援するライフスキルコーチング / 20年以上、自分づくりのプログラムと研究に没頭する変わり者 / 大学では毎年300名以上の学生とスポーツ心理学をベースに自分づくりの授業を行う / 大修館書店による月刊「体育科教育」の巻末エッセイを奇数月に担当中

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本当の自分とは

素朴な疑問として、本当の自分ってなんだと思いますか?

これがあなたの本当の姿です」と誰かが教えてくれるのでしょうか。仮に第三者にそのようにいわれたとして、あなたはそれをスムーズに受け入れることができますか?

それが本当の自分であるかはどうかは、最終的に自分自身で判断し、納得することができなければ難しいと思います。

似たような話として、買い物で洋服を選んでいる時に、店員さんから「あなたが着るべき服はこれです!」といわれ、「はい、分かりました」と試着せずに購入することができるでしょうか。

私の場合、嫁さんにそのように言われればスムーズに受け入れることができると思いますが、それ以外の場合はちょっと躊躇してしまいますね。

話を簡単にするために洋服の例を出しましたが、「本当の自分」の代名詞といえるのは、やはりどのような生き方を志して、どのような職に就いていくかという姿ではないかと思われます。

これが自分の生き様だと激しく同意し、納得することができるものが本当の自分と呼べるものではないでしょうか。

そのような自分の姿がこの世界のどこかにあるのか。。どこかにありそうな気もしますが、全く当てがない場合は、見つかるまでにかなりの時間がかかってしまいそうですね。

 

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自分探しの落とし穴

自分探し(自分探しの旅)において、これが自分の生き様だと胸を張っていえる本当の自分が見つかることもあればそうでないこともあると思います。では、前者のケースとはどのような場合でしょうか。

結論からいうと、候補に挙がった生き方が本当の自分であるかを確認するためには、頭の中で思考するだけでは不十分で、体験を通した検証作業が必要ということになります。

その生き方を主体的に体験してみて、それによって自分のこころがどのように反応するのか、その反応を手がかりにそれが本当の自分であるかの判定を行っていきます。

何が本当の自分の姿なのか、ぐるぐると思い悩む形での自分探しは、いつまでも終わりが見えないことになってしまいそうです。

 

このように考えると、自分探しの旅で見つけることができるのはいくつかの生き方の候補であり、それが自分自身にフィットするか否かの検証作業は、旅から戻ってきてからとなります。

また、その検証作業も短期間で終わる保証はありません。石の上にも三年という言葉があるように、ある程度の年月が必要となる可能性があります。

楽しい時に限らず、辛い時や苦しい時もひっくるめて、その生き方に激しく同意することができるかどうか。本当の自分を見つけるためには、そこまでの厳密な検証が必要と思われます。

パッとお手軽に本当の自分が見つかるというイメージとは違いますね。

 

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自分探しをしたくなる心境

次に、自分探しをしたくなる心境について少し考えてみます。その心境のベースとなるのは、以下のような現状から受け取る強烈な違和感であると思われます。

 

自分はなぜこの仕事をしているのだろう

自分はなぜここにいるのだろう

単調な毎日の繰り返しで成長を感じられない

今の生活から逃げ出したい

 

確かに、このような状態にあると自分探しに駆られそうですよね。より本質的にいえば、自分探しの旅とは現実逃避の様子を表しているのではないでしょうか。

 

なお、現状に対して強い違和感を抱くという様子はストレス反応の一つとされ、その原因には青い鳥思考という考え方があるといわれています。

つまり、「もっとほかに自分に合う場所がある」「合う職業がある」合うパートナーがいる」などというように、理想を追い求めつづけてしまう、言い換えれば地に足のついた状態ではないということになります。

このような状態に陥ってしまっていることを自覚できていないと、いつまでも自分探しをつづけてしまう危険性があるといえます。

 

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地に足をつけるために必要なもの

では、現実逃避ではなく目の前の現実と真摯に向き合い、地に足をつけるために必要なものとはなんでしょうか。私自身は、最も大切なのは成功体験であると考えています。

それは「スポーツの大会で優勝した」「ビジネスにおいて大きなプロジェクトを成し遂げた」といった大きな成功である必要は必ずしもありません。

以下に示すような、小さな成功体験でも十分であるといえます。

○○のことについて褒められた

□□について周りから感謝された

先月以上の成果(結果)を達成することができた など

 

そして、このような成功体験をすることによって、私たちの内面には「次も成功したい」「もっと成長したい」といった欲求が芽生えてきます。

次も確実に成功・成長するために、私たちは目の前の必要な行動に意識を集中していけるようになります。もはやその姿は現実逃避ではなく、地に足をつけた状態といえるのではないでしょうか。

ただ1つ注意が必要なのは、小さな成功体験をできた時に、それをあなた自身がきちんと成功体験として評価してあげることです。

自己評価が厳しい人だと、周りが注目するような大きな成功でなければ、自分の中で成功体験として位置づけられないという可能性もあるでしょう。

まずは成長への起点づくりのためにも、一時的に自己評価のハードルを下げられることをおススメします。

最近なかなか成長を実感できず、どこか停滞感を感じているという方は、もしかするとその原因はあなた自身の自己評価の厳しさにあるのかもしれません。

 

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自分探しで見つけたいもの3選

ここでは本当の自分に効果的にアプローチしていくために、自分探しの中で見つけたいものについて述べていきます。

その1: 落ち着いて自分自身と向き合える環境

あなた自身が激しく同意することができる生き様や生き方(本当の自分)を徐々に明確にしていくためには、とにかく自分自身と落ち着いて向き合える場所や環境を確保することが大切です。

それは自宅なのかカフェなのか?公園?何か乗り物の中?とにかく、都会の喧騒等から離れて自分と静かに向き合る環境が大切です。その時はスマホの電源をオフにしておくとさらに良いかもしれません。

そのような意味では、自分と落ち着いて向き合える環境を手に入れるというのを、自分探しの旅の目的の1つとするのも良さそうです。

 

その2: 理想の生き方や人物像

自分が激しく同意できる生き方や生き様の候補を多数収集し、それをもとに効率よく検討を行うというカタチもあるでしょう。

その形に沿って自分探しを進めるのであれば、優先的に見つけるべきは将来の目標とできる人物ということになります。

第一線で活躍するスポーツ選手やビジネスパーソンをはじめ、その道の一流と呼ばれる人々。その人物の人生の軌跡を知るだけでも、私たちは多くの刺激を受けることができます。

きっとそれら一流の方々も、さらに前の世代の一流たちから刺激を受け、自らの生き様を固めてきのかもしれませんね。

 

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その3: 本音で語り合える相手

他者とコミュニケーションを取ることによって、本当の自分にアプローチしていく方法もあります。

その際に必要となるのは自己開示を交えたコミュニケーションです。もっと簡単にいえば、自分のことを包み隠さず、本音でトークをするというものです。

そこで必要となるのが本音で語り合える相手です。家族、パートナー、親友、気の合う仲間など、あなたの話に真摯に耳を傾けてくれる相手がいいでしょう。

なお、自分探しにおいて本音トークが大切である理由は以下のとおりです。

まず、本音で語り合う中では、話の文脈に沿ってあなたの本心(願望や欲望、希望、野望など)が頭の中で整理されながらスムーズに言語化されます。

そして、その話の内容を改めて自分の耳で客観的に聞くことによって自己理解がより深まる、本当の自分を明確に認識することにつながるという流れです。

あなたの周りには本音でトークができる人はいますか?自分探しの鍵を握っているのは、お互いに本音で語り合える相手なのかもしれません。

 

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本当の自分は人生において変わらない?【図解あり】

最後に、本当の自分は本当に正しいのか?という問いについて述べたいと思います。

ちょっとこれまでの話と矛盾するようですが、厳密にいうと、苦労してたどり着いた本当の自分が絶対に正しいという客観的指標は存在しません。

あくまでも、自分がそれに激しく同意することができるかという点だけです。

なので、本当の自分とは実は非常に不確かな存在ともいえるのではないでしょうか。

いまはこれが本当の自分だと思っているが、その後のさまざまな出来事や経験、出会い等を通して、本当の自分だと感じていたものが徐々に変化していく可能性はゼロではないといえます。

私の場合、NHKのロボットコンテストのテレビ番組に感化され、ものづくりが自分のやりたいことだと信じて大学の工学部に入学しました。

しかしその後、実際の学びを体験したり現場の様子を知るにつれ、その想いは徐々に下火になっていってしまいました。

そして紆余曲折を経て、いまは心理学をベースとした自分づくりを支援する職業に就いています。ものづくりから人づくりへ…。20代の頃には全く考えもしていなかった展開です!

最近ではコロナ禍を契機としてこのブログの執筆を開始しました。それにより新たな面白さや、やりがいを見つけることができています。ここから数年後には、インターネットビジネスの世界にもとびこんでいるかもしれません。

ちょっと私の話が長くなってしまいましたが、まだ見ぬ「未知なる自分」を否定せずそれをその都度受け入れる余白を残しておくことで、あなたは生涯を通じて成長しつづけていくことができると思います。

そんな未知なる自分へのアプローチ方法は、ジョハリの窓という自己理解のモデルにおいて解説されています。気になる方は以下の「関連記事」も是非チェックしてください。

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まとめ

価値観が多様化し、生き方や生き様にも選択肢が増え、本当の自分を明らかにすることの難易度は以前よりも増している可能性があります。

ですが、それら多様な選択肢を一つひとつ自分へ当てはめていくのではなく、自分自身が激しく同意できる生き方・生き様を明らかにすることができれば、そこに当てはまる選択肢はおのずと決まってくるはずです。

自分探し、つまり自己理解を深める作業に積極的に取り組むことによって、より生きやすい日々を実現していくことができるはずです。

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