コロナ禍を契機とした新しい生活様式への移行、大学でのオンライン授業や企業でのテレワークの実施、人とのコミュニケーションの場がオンラインへ移行するなど、近年、社会における変化のスピードはますます増してきている印象を受けます。
このような変革の時代にあって、私たちはどのように生きていけばよいのか。さらにいえば、自らが望む未来を切り拓くためには、どのような力が求められるのでしょうか。
この記事ではそんな未来を切り拓く力について、私なりにシンプルに解説していきたいと思います。
行動することが未来を切り拓くことにつながる
まず、基本的なこととして、自らが望む未来を手にするためには、行動を起こさなければなりません。
もっと正確にいえば、行動しつづけることで自らが望む未来を切り拓いていくことができます。
登山の場合も山頂に到達するためには、自分自身で足を動かしつづけ、目の前の一歩を乗り越えるという作業を無数に繰り返していく必要があります。
当然ながら、誰かがヘリコプターで山頂まで連れていってくれるようなことはまずありません。
自らが望む未来への道半ばでは、意欲が顕著に低下する「中だるみ」の状態に陥ってしまうこともあるかもしれません。
そのような時でも、再び意欲を喚起・維持できる何らかの手立てを講じながら、再び行動を起こしていく必要があります。
見方によっては、行動を起こすこと自体は簡単なようにも思えますが、私たちはその行動を自ら抑制してしまっているときがあります。それは一体どのような時なのでしょうか。
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過去と未来に意識を向け過ぎない
私たちは多くの時間、自分の意識を過去と未来に向けているといわれます。
過去と未来に意識を向けること自体は悪いことではないと思いますが、その程度がいき過ぎるとストレスの原因となってしまう可能性があります。
過去への意識過剰からは、『あの時、ああしとけばよかった…』という後悔の念を、未来への意識過剰からは、『上手くいくだろうか…』『果たして大丈夫だろうか…』といった不安の感情がそれぞれ生じてきます。
これらの感情は私たちの行動を抑制し、時間を非生産的に消費し、さらにストレス反応を通じて多くのダメージを心身に及ぼしてしまいます。
このことから、未来を切り拓く行動を絶えず生み出していくためには、意識の焦点を過去と未来のどちらでもなく、現在に置くことが大切になってきます。
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意識をいまに置くことの意味
意識を現在に置くということは、いまこの瞬間に集中するということ、いまこの瞬間を懸命に生きるということですね。
私たちが唯一生きることができるいまのこの時間を、なるべく無駄にすることなく全力で生きる姿ともいえます。
登山の場合も、一歩を乗り越えたとしても、また次の一歩がすぐ目の前に現れます。着実に歩みを進めていくためには、その瞬間瞬間に意識を集中して取り組みつづける必要があります。
それでは、後悔や不安のように過去や未来に必要以上に影響されずに、いまこの瞬間を懸命に生きるために、意識を現在に集中させるためにはどうすればよいのでしょうか。
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意識をいまに集中させる方法
意識の焦点を現在に維持するためは、いまこの瞬間にやるべきことを明確にするということです。
未来へ向けて何か大きな目標があるのであれば、そこから現在までの流れを逆算していくことで、いまこの瞬間に取り組むべき多くの課題を導き出していくことができます。
それら今すぐ取り組むべき課題は、間違いなくあなたの行動を引き出してくれるはずです。例えば、通学・通勤の場面を思い浮かべてみてください。
「朝○時までに学校または会社に行く」という小さい目標によって、出発前の準備の段階から目的地に至るまで、あなた自身はとても強く動機づけられ、多くの行動が生み出されています。
そして、その小さい目標によって生み出される行動の積み重ねは、あなたが望む未来の実現に確実につながっていくはずです。
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いまこの瞬間にやるべきことを発見するツール
といっても、『○○大学に合格する』『○年後に起業する』『プロジェクトを成功させる』等の大きな目標から、いまこの瞬間にやるべきことを見出していくことは簡単ではありません。
例えば、『今日はこれに取り組む』と決めても、それが大きな目標の達成につながっているかは定かではないということがあります。
そんな中、いま注目を浴びているのが、あの大谷翔平選手もかつて取り組んでいたといわれるマンダラチャートという目標達成シートです。
以下に示すのがそれで、大谷選手が高校1年生の頃に作成したものとなります。中央の黄色のマスには、「プロ野球8球団からドラフト1位の指名を受ける」という大きな目標が書かれています。
次に行うことは、その大きな目標を達成するために必要だと思われる課題を、黄色のマスの周りのグレーのマスに記入していきます。
その後は同様に、個々のグレーのマスを矢印に沿って隣接する3×3の9マスの中央に位置づけ、その達成に必要だと思われる課題をどんどん書き出していく流れです。
このシートを用いると、60以上にも上る小さな目標を効率良く発見していくことができます。反対に、ここまでの内容をこのシート無しに考え出していくことは至難の業ではないでしょうか。
また、マンダラチャートでは個々の小さな目標に取り組むことが、最終的に大きな目標の達成につながっていくという感覚を実感することができます。
例えば、左上の9マスを例にいえば、毎日の食事で朝は3杯、夜は7杯のご飯をしっかり取ることは丈夫な体をつくることにつながり、それは大きな目標を達成することにもつながっていくと視覚的に理解することができます。
このようなつながり感は、大きな目標の達成に向けて、いまこの瞬間に全力で小さな目標に取り組むという姿を後押ししてくれるはずです。
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未来を切り拓く力の本質
誰もが大きな夢や目標を胸に抱きながら毎日を送っていると思います。
一方で、それが達成された状態から時間軸を逆算し、いまこの瞬間に何をすべきかという小さな目標を明確にしている人は少ないのではないでしょうか。
そのような多数の小さな目標を明確にすることで、私たちの中には行動への動機づけが生まれ、未来や過去に必要以上に捕らわれず、いまこの瞬間を懸命に生きるという姿につながっていきます。
すなわち、大きな目標から多数の小さい目標を見出し、それらの優先順位を慎重に考え、重要なものから順に集中して取り組むことができる力こそが、未来を切り拓く力の本質であるといえます。
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まとめ
激動の社会の中で未来を切り拓く力をいかんなく発揮していくためには、この先に必ず実現したいと強く望む大きな目標が必要です。
といっても、そのような自分自身にフィットする最高の目標を誰もがすぐに抱くことができるわけではありません。
そのような目標を見出していくためには、あなた自身が人生において何を達成したいのか、どのような生き方を実現したいのかについての理解、すなわち「自己理解」を深める必要があります。
目標設定と自己理解、一見、関連性が低そうな2つですが、自分への理解は紛れもなくこの先の未来を切り拓く力の原点となっていくものです。
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