目標達成できない根本的理由とは|目標未達でも大きく落ち込む必要はない

目標設定
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あなたをはじめ、ヒトには数多くの悩みがあると思いますが、その中でも特に大きなものは『目標達成できない…』ではないでしょうか。

多くの人が『目標達成が難しい』と悩んでしまう背景には、ある根本的理由が存在しているように感じます。

この記事では、そのような本質的理由を明らかにするとともに、目標達成できる自分になっていくための心構えについて述べていきます。

この記事を書いた人
しまもと

法政大学スポーツ健康学部准教授 / 専門は自分づくりを支援するライフスキルコーチング / 20年以上、自分づくりのプログラムと研究に没頭する変わり者 / 大学では毎年300名以上の学生とスポーツ心理学をベースに自分づくりの授業を行う / 大修館書店による月刊「体育科教育」の巻末エッセイを奇数月に担当中

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目標達成できない根本的理由

理由1: 目標設定の技能を身につけていない

結論からいって目標設定とは技能です。「目標を達成する」とは一つの芸事のようなものなのです。

また、技能ということで目標設定には数多くのコツや必要な考え方というものがあります。

ですが、いまの日本の学校教育の中には、目標設定の技能を体系立ててきちんと学習できる機会が十分に確保されているとはいえません。

『目標達成できない』を数学の学習に例えていえば、ある公式の存在を知らないまま、数式の問題をなかなか解くことができない』と悩んでいるようなものです。

学校教育には無くとも、書店にいけば目標設定の技能に関する書籍が数多く販売されています。大人になって自らそのような本を手に取り、目標設定について学習された方もたくさんいらっしゃるでしょう。

目標設定の技能に関する学習は小学校の段階からでも十分に行えます。

何も特別な人物だけが大きな目標を達成できるわけではありません。誰もがそのような可能性を秘めています

そのための能力を開花できるか否かは、目標設定の技能を知り、それを身につけているかにかかっているといっても過言ではありません。

つまり、『目標を達成できない』は『目標設定の技能を未だ習得できていないので達成が難しい』とも言い換えることができるということです。

 

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理由2: 人は本能的には成長を望んでいない

ヒトの生体には、いまこの瞬間の生命を維持している状態を保持しようとする恒常性という機能が備わっています。

つまり、本能的にはヒトは今の状態からの変化を望んでいません。ですが、理性的にはヒトは理想の姿を思い描き、その実現に向けて習慣や環境を変えるための行動を起こそうとします。

ですが、変化を抑制しようとする恒常性の抵抗にあい、成長に向けた行動を継続できずに終わってしまいます。まさに『目標達成できなかった』という様子ですね。本能強しです!

このような恒常性の壁を変えていくためには、理由1で述べた目標設定の技能が必要です。また、環境面からの影響を上手く活用していく必要もあると思います。

例えば、あなたが子どもから大人になるまでに多くのことを学び、成長につながる数々の経験を積むことができたのは、学校という環境やともに学ぶ仲間やライバル等の存在があったからではないでしょうか。

大人になってからは、そのような学びの環境は自ら作り上げていく必要があります。

一方で、本能に忠実に生きようとすれば、『目標達成できない』というのは極めて自然な姿であるということです。

 

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目標達成に向けた心構え

目標達成が難しい根本的理由を踏まえた上で、達成できる自分になっていくための心構えを7つ述べたいと思います。

その1: やる気の急激な高まりは異常事態

目標達成に向けてやる気がギラギラみなぎっている状態。これってとても望ましい様子のように思えますが、人の生体的(本能的)には異常事態として解釈されるようです。

人の恒常性という観点からいえば、いま現在の何ら問題のない状態を変化させようとしていると察知され、生体的にはその高まったやる気を鎮静化させる方向で機能します

そのため、通常に比べ異常に高まったやる気は、その後、やる気を回復させる手立てが何もなければ、時間の経過とともにほぼ間違いなく低下していってしまいます。

その時、人はやる気の低下を自らの責任に帰して自分自身を責めてしまいますが、それは生体反応として見られる自然な低下なので、反応としては何ら悪いことではありません。

やる気の低下から自分自身を責めたり、それによる自信の低下といったネガティブな事態を防ぐためには、『よーし、ダイエットするぞー!!』等とやる気を急激に高める必要性はないといえるでしょう。

『ま、プチダイエットからぼちぼちやってみるか…』程度のやる気で十分だと思います。

日々淡々と、必要な作業にきちんと向き合える程度のやる気を維持することが、長い目で見れば最も大切である可能性があります。

 

その2: 本心から望む目標でなければ達成は困難

当然のことですが、なんとなく取り組んでみて優れた成果を達成できる人はほとんどいないと思います。

スポーツの大会においても、優勝できるチーム・個人は本心から優勝を目指していた人たちです。なんとなく優勝できるなんてことは決してありません。

このことからも、最終的にあなたが目標として達成できることは、あなたがこころから強く望んでいることになります。

人に決めてもらった目標やおススメの目標、友人らと同じ目標といった類のものは、最終的に未達に終わる可能性が高いです。

言い換えれば、こころが強く動かされるような経験が未だ無い状況では、大きな目標を達成していくことはなかなか難しいのかもしれません。

 

その3: 目標達成のためには犠牲が伴うこともある

あれもこれもとやりたいことがたくさんある人は、ある特定のことだけに長期にわたりコミットしていくことを苦手としている部分があるのではないでしょうか。

ですが、目標を確実に達成していくためには、その1つのことに集中してエネルギーを投入しつづけていく必要があります。つまり、目標達成には犠牲が伴うことがあるということです。

例えば、学校や大学で運動部活動に没頭してきた人は、見方によっては文芸的な趣味に親しむ時間や、クラスの友人らとの娯楽の時間を犠牲にしてきたともいうことができます。

目標達成に必要な時間やエネルギーは、別のあることを我慢したり、犠牲にしたりすることで生み出せるところがあります

あれもこれもと多くのことで満足しようとすると、目標達成がなかなか難しくなってしまうという構図です。

 

その4: 時にはわがままに行動する必要もある

よくいわれることですが、1日に使える時間とエネルギーは無限ではなく有限です。その中で自らの目標を確実に達成していくためには、わがままに行動する必要がある時があります。

家族のため、みんなのため等と自分のことを後回しにしたり、犠牲にしてばかりでは目標達成は難しくなってしまいます。

時には自己中心的に、自分のためだけに時間とエネルギーを存分に使っていきましょう!

 

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その5: 人の成長・変化にはどうしても時間がかかる

繰り返しますが人には恒常性という機能があるので、いまこの瞬間、問題なく生きている姿を最優先で維持しようとします

自分自身を変えよう・成長させようとする多くの試みが三日坊主に終わってしまうのはこのためです。

それでも人は毎年年頭に新年の抱負を立てるように、理想の姿の実現に向けてチャレンジしつづけます。

恒常性との攻防になるので、いきなり大きく成長することはできませんが、チャレンジをやめなければ少しずつ変化していくことは可能なはずです。

つまり、しっかりと時間をかけて取り組みつづければ、確実に成長することができるということだと思います。

そういう意味では、短い期間でお手軽に成果や変化を求めないようにした方がいいかもしれません。少し気を抜いたらまた以前の姿に逆戻り、なんてことも!?

 

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その6: 目標達成のためには日々努力を継続するしかない

当たり前ですが、宝くじが当たるようにある日突然、大きな目標が達成されるわけではありません。

『達成できたらいいなあ』と、日々お願いしつづけても達成はできません。

富士山のような魅力的な山の頂に至るように、確実に目標を達成するためには、一歩一歩自分に一定の負荷をかけつづけるという形で、日々努力を継続する必要があります。

それこそが目標達成に向けた実質的な取り組みとなっていくものです。それ以上でもそれ以下でもありません。

 

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その7: 目標達成のためには孤独に耐える必要がある

みんながみんな、同じ目標を掲げているわけではありません。なので、達成に向けた取り組み方は人それぞれ違います。時には自分一人と強く感じることもあるでしょう。

目標達成への道のりは自分自身との戦いといえますが、見方によっては孤独との戦いであるともいえるわけです。

例えばスポーツ選手であれば、大会で優勝したり優秀な成績を達成した時は世間から大きな注目を浴びますが、それまでは孤独との戦いでもあったと思います。

寂しがりやな人にとっては、目標達成はなかなかハードルの高い作業かもしれません。

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まとめ

この記事では目標達成できない根本的理由を以下の2つの視点から解説しました。

  •  目標設定の技能を身につけていない
  •  人は本能的には成長を望んでいない

このような理由を知れば、目標達成できない自分を必要以上に責めたり、落ち込んだりする必要はないと思えるのではないでしょうか。

目標達成できる自分になっていくためには、「目標達成できないは自然な姿であるととらえ、あとは目標設定に関する知識や技能を身につけていくだけです。

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