コミュニケーションが苦手の原因は能力不足?性格との関係もチェック!

コミュニケーション
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「コミュニケーションが苦手」の原因は、現在のあなたの性格(パーソナリティ)の状態にも見られるかもしれません

もちろん、技能面でのレベルアップも大切だと思いますが、それだけでは根本的な解決にはつながらない可能性があります。

この記事では、性格とコミュニケーションとの関係性について解説をしていきたいと思います。

この記事を書いた人
しまもと

法政大学スポーツ健康学部准教授 / 専門は自分づくりを支援するライフスキルコーチング / 20年以上、自分づくりのプログラムと研究に没頭する変わり者 / 大学では毎年300名以上の学生とスポーツ心理学をベースに自分づくりの授業を行う / 大修館書店による月刊「体育科教育」の巻末エッセイを奇数月に担当中

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コミュニケーションのあり方に影響を及ぼす要因

日々の生活場面における、多様な他者とのコミュニケーションのあり方に影響を及ぼす要因にはさまざまなものがあります。

適切な関係性を形成・維持し、そして発展させるために必要なコミュニケーションスキルをはじめ、身体的なコンディション(体調)もコミュニケーションのあり方に影響を及ぼしています。

例えば、体調が悪いと性格も悪くなってしまうといわれることからも、良好な人間関係のためには、普段から体調を整えておくことが望ましいといえます。

そして、この記事のタイトルにあるように、私たちの性格・パーソナリティも、日々のコミュニケーションに影響を及ぼしているのです。

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コミュニケーションへの苦手意識を克服するために

日本人の多くが、コミュニケーションに対して苦手意識を抱えているといわれます。そのような苦手意識の克服に向けた解決策の一つとして、スキル・技能の習得があります。

相手の目を見て会話をする大きく相槌を打つ天気等のスモールトークをする最初に結論から述べるなど、これらはすべてコミュニケーションスキルと呼ばれるものです。

これら多数のスキル群を身につけることで、良好な人間関係の実現を目指していこうという構図です。

一方で、これら個々のスキルが実際の対人場面で発揮されるまでのプロセスを知ると、改めて、自らの性格への理解を深める必要性を感じていただけると思います。

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コミュニケーションスキルが発揮されるまでのプロセス

あなたがこれまでに身につけているコミュニケーションスキルは、それがそのまま発揮されるわけではなく、普段のあなたの考え方や行動の仕方等が反映された上で、相手へ表出されていくことになります。

つまり、多くのコミュニケーションスキルを学習したとしても、根本的には、本人がどのような内面上の特徴を有しているか、どのような性格であるかによって、身につけたスキルの発揮度は変わってきてしまうということです。

このようなことからも、自分がどのような性格であるかを確認し、コミュニケーションにおいて何か問題が生じそうであるかを事前に把握しておくことは、極めて重要な作業であるといえるのではないでしょうか。

そこでこれ以降では、エゴグラムという有名な性格検査を用いながら、その診断結果から見えてくる、他者とのコミュニケーションにおいて意識すべき事柄について解説をしていきます。

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性格検査「エゴグラム」について

エゴグラムでは、私たちが外へと表出している(客観的に観察可能な)言動を自我状態と呼び、それを以下の5つの側面からとらえ、その表出レベルを棒グラフで表します。

  •  厳しさ(CP)
  •  優しさ(NP)
  •  客観性(A)
  •  率直な感情方法(FC)
  •  協調性(AC)

そして、その棒グラフのバランス・強弱から、その人の性格の癖をとらえようとするものです。個々の自我状態を簡単に説明すると、以下のようになります。

  • CP → 父親的な厳しさ
  • NP → 母親的な優しさ
  • A → 事実にもとづき、現実的に物事をとらえようとする姿
  • FC → 自由奔放な子どもの姿
  • AC → 順応な子どもの姿

 

なお、ここではエゴグラムについての詳細な説明は省きますが、興味・関心のある方は以下の関連記事を参照してみてください。

エゴグラム診断の結果を読み解く6つの見方|理想の自分へのアプローチ
自分とはどのような人間なのか?この疑問へのアプローチとして、多くの人は自分の性格について考えるのではないでしょうか。その際、力になってくれるのが性格検査です。 今回は数多くある性格検査の中からエゴグラムを取り上げ、その診断結果を徹底的に読み...

 

また、診断結果は以下のようなイメージとなります。ここでの例では、順応な子どもの自我状態であるACが低い一方、父親的厳しさのCPと母親的優しさのNPが高いことが示されています。

 

上の関連記事内でも紹介されていますが、このエゴグラムはweb上でフリーで診断可能です。以下のリンクより、早速あなたのエゴグラムを確認してみてください。

エゴグラム診断サイト
エゴグラム性格診断|心理テスト性格診断無料 (commutest.com)

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自我状態とコミュニケーションとの関係

これ以降は、あなたのエゴグラムが確認できている前提で話を進めさせてもらいます。

診断結果の中で特に着目してもらいたいのは、特に得点が低い自我状態です。なぜなら、人は人間関係において何か悩みを抱えている時、その原因には低い自我状態が十分に発揮されていないケースが多い、といわれているためです。

まさにここが、「コミュニケーションが苦手」の根本的原因自身の性格に見られると主張している点です。

以下より、各自我状態が低い時のコミュニケーションについて説明をしていきますので、自分が該当する箇所を参照してみてください。

 

父親的厳しさ(CP)が低い時のコミュニケーション

CPが低い場合の特徴としては、以下のものが挙げられます。

  • 時間にルーズである
  • ルールや規則、約束を破ってしまう
  • 個々の作業に適当に対応してしまう

 

コミュニケーションにおいて、相手との信頼関係は特に重要となります。そのような関係性を構築していく上で、あなたが信頼の置ける人物であるかは、相手側の最大の関心事でもあるでしょう。

CPの低さは、その信頼度の低さに直結してしまうものです。周囲から頼られたり、頼み事をされることが少ないなと感じた時は、自分のCPの状態に原因がある可能性があります。

 

信頼関係を築く力16選|信頼関係構築力の実態はコミュニケーション能力
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母親的厳しさ(NP)が低い時のコミュニケーション

NPが低い場合の特徴としては、以下のものが挙げられます。

  • 相手にあまり共感ができない
  • 思いやりに欠けてしまう
  • 温かみが少ない

 

人は誰しも、自分に厳しいことを言ったり、注意したりする人物からは距離を置きたいと思うはずです。それは家族であっても変わらないでしょう。

もちろん、そのような人物も、間接的には相手の成長に寄与している部分があると思いますが、「常に一緒にいるのは正直しんどい…」というのが忠告を受ける側の率直な感想ではないでしょうか。

NPが低い人は、そのような距離を置きたいと思われる人物になっている可能性があります。

 

大人・成人としての客観性(A)が低い時のコミュニケーション

Aが低い場合の特徴としては、以下のものが挙げられます。

  • 頭の中が整理されていない
  • 計画を立てるのが苦手
  • 話の内容が事実にもとづいていない

 

そのため、伝えたいことが自分の中でまとまっていない状態での会話となった場合、「話が長いな」、「言いたいことがわかりづらい」等といった印象を相手に与えてしまう可能性があります。

 

率直な感情表現(FC)が低い時のコミュニケーション

FCが低い場合の特徴としては、以下のものが挙げられます。

  • 感情表現が少ない
  • 暗い印象を与えてしまう
  • 物事を楽しめない

 

感情表現を少ないということからも、相手は「どう思っているのかな」、「あれ、機嫌が悪いのかな(怒っているのかな)」等と、付き合いづらさを感じてしまうかもしれません。

コミュニケーションにおいては表情も大切となりますので、普段、自分がどのような表情をしているのか鏡で観察してみたり、信頼できる他者に教えてもらったりすると良いと思います。

 

協調性(AC)が低い時のコミュニケーション

ACが低い場合の特徴としては、以下のものが挙げられます。

  • 協調性に欠ける
  • 人の意見を取り入れられない
  • 妥協するのが苦手

 

日本人は集団の和を重んじる民族であるといわれます。一方で、常に全体に同調し過ぎるというのも、「自分がない人」、「主体性が低い人」といった印象を与えてしまい問題だと思います。

要は、私たちのコミュニティではここは協調すべきというタイミングがあり、そこできちんと協調できるかが、良好な人間関係の有無に大きくかかわっているのではないでしょうか。

ACが低い人は、そのタイミングを逃してしまっている可能性があります。

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自我状態の変容に向けたスモールステップ

エゴグラム性格検査では、自分の性格は変えることができるという前提に立っています。そして、その変えるべき部分は、上で焦点を当ててきた低い自我状態になります。

低い自我状態の得点を挙げることで、他者とのコミュニケーションにおいて感じている問題の解決を図ることになります。

ただ、いま現在、他者との関係性において特に問題を抱えていない場合は、無理に性格の変容を図る必要はありません。

タイミングとしては、「コミュニケーションが苦手な自分を変えたい!」という気持ちを強く感じられている時でいいと思います。

最後に、各自我状態ごとに、その得点を挙げるためのワンポイントアドバイス(すぐにでもできる簡単な方法)を紹介させていただきますので、是非参考にしてください。

 

父親的厳しさ(CP)の得点を上げる取り組み

  •  時間や締め切りを守る
  •  決めたことは最後までやり通す
  •  Yes・Noの意思表示をはっきりとする  など

 

母親的優しさ(NP)の得点を上げる取り組み

  • 「どうしたの?」、「大丈夫ですか?」と声をかけてあげる
  • 「ありがとう」、「助かったよ」と感謝の意を示す
  •  笑顔や穏やかな表情を心がける  など

 

大人・成人としての客観性(A)の得点を上げる取り組み

  •  相手に伝える前に、話の内容を整理する(一番伝えたいことは何か)
  •  物事に優先順位を付ける
  •  事実をきちんと確認する  など

 

率直な感情表現(FC)の得点を上げる取り組み

  •  写真に笑顔で写るようにする
  • 「おはよう」等の挨拶を自分から率先して行う
  •  好きなTV番組を見ながら歓声をあげたり笑ったりする  など

 

協調性(AC)の得点を上げる取り組み

  •  アドバイスや意見に耳を傾ける
  •  人の話に興味・関心を示す
  •  周囲の様子を観察してみる  など
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まとめ

この記事では、自分の性格への理解を深めることが、「コミュニケーションが苦手」の根本的解決策になるという点について解説をしました。

性格への理解を深めることはすなわち、自己理解を深める一つの営みでもあります。自己理解とは自分自身の取り扱い説明書を作る作業であるともいえます。

相手と良好な関係を構築していくためにも、まずは自分の特徴を知り、自分というものを上手くコントロールできることが大切になってきますね。

その上で必要なコミュニケーションスキルを習得していけば、あなた自身の魅力はきっと周囲に伝わっていくはずです。

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