こんにちは。あなたの自分づくりをちょこっとサポート「しまらぼ」のしまもとです。
大学入学後の抱負・目標をどのように伝えるかは、受験生にとって悩みの種の1つですね。ライバルに差をつけるためには、印象に残る内容を相手に力強く伝えていく必要があります。
この記事では、よくあると思われる入学後の抱負・目標の例文を複数取り上げ、好印象を得るためのポイントについて徹底的に解説していきたいと思います!
入学後の抱負・目標の最大のNGポイントは「抽象的な表現」
早速、入学後の抱負・目標としてありそうな例文を以下にいくつか挙げてみます。一見、とても聞こえの良い言葉が並んでいます。
専門分野の勉強を頑張っていきたい!
多くの知識を吸収していきたい!
さまざまな資格を取得していきたい!
コミュニケーション能力を高めていきたい!
人間として大きく成長していきたい!
ですが、これらは志願者の多くが同じように考えてくるものであるため、このままではライバルに差をつけることは難しくなります。
見出しにも明記されていますが、これらはすべて抽象的な目標として位置づけられます。言い方を変えれば「わかりやすい目標」で、ちょっといじわるに表現すれば「あまり深く考えられていない目標」です。
正確にいえば、受験勉強に追われて抱負を深く考える時間があまりないのかもしれませんが。。
上のような具体性に欠ける目標からは、あなたが大学入学後、具体的にどのような活動を展開していくのかが見えてきません。
相手に見えないということは、同じようにあなた自身にも見えていない可能性があります。抽象的な目標のままでは、おそらく入学後、あなたは周囲の状況やさまざまな誘惑に流されていってしまうおそれがあります。
あるいは大学2年生の頃には、学業へのモチベーションの低下により、ダラダラとした「中だるみ」の状態に陥ってしまうかもしれません。
◆ カテゴリー:目標設定
印象に残る内容としていくためには、あくまでも予定で構いませんので、これらをとにかく以下のように具体的にしていく必要があります。
- 専門分野の勉強・・・現時点で実際に興味・関心のある科目名をいくつか挙げてみる。
- 多くの知識を吸収したい・・・特に挙げるとすれば何についての知識か?
- さまざまな資格を取得したい・・・優先的に取得を目指す資格の名称を挙げ、取得を目指す時期についても言及してみる。
さらに可能であれば、具体例としてそれらを挙げた理由も簡潔に述べることができればなお良いですね。
内容が具体的であればあるほど、人はやる気を起こして行動することができますので、入学後の意欲的な姿を相手にも印象づけることができるはずです。
それでは以下より、『○○していきたい』といった大学入学後の抱負・目標の具体化について順に説明をしていきます。
ぜひ、それらを参考に好印象を与えられる抱負・目標を考え、その内容を自らの言葉で伝えられるようにしてもらえればと思います。
◆ カテゴリー:考える
『専門分野の勉強を頑張っていきたい』の具体化
大学での学びの楽しみは、さまざまな専門分野に触れることができる点だと思います。大学側としても、志願者がどのような分野に興味・関心を持っているのかはまさに知りたいところです。
その際、一番NGなのは、繰り返すようですが『さまざまな専門分野の勉強を頑張っていきたいです』といった抽象的な抱負・目標です。
これは個人的な感想ですが、特に推薦系の入試では『さまざまな』はNGワードだと思います。『あまり深く考えていません』と暗に公言しているようなものですから。
このほかにも注意すべき点はあります。順に説明していきますね。
注意点1 : 大学紹介のパンフレットで…
あなたが希望する大学のパンフレットにおいて、志望する学部・学科でピックアップされている特定の授業名を、興味・関心があるものとして挙げる際には注意が必要です。
なぜなら一般的に、ピックアップされる授業は年度ごとまたは定期的に変更されるので、その変更に伴って志願者が興味・関心を示す授業も変わってくるという(珍?)現象が見られます。
つまり、あなたが入学後の抱負や目標をどれだけ深く考えているかということは、あなたの想像以上に大学側には伝わっています。
大学紹介のパンフレットは貴重な情報源ですが、それだけに頼ってしまってしまうのは避けた方がいいですね。
注意点2 : オープンキャンパスの場で…
人によってはオープンキャンパスの機会を利用し、志望する学部・学科の教員と直接交流をすることもあると思います。
ですが、実際に話を交わした教員の専門分野を、自分が興味・関心のある分野として挙げようとする際には注意が必要です。
ちょっといじわるな見方ですが、「直接話ができればどの教員でもよかったのかな」「どの分野でも良かったのかな」との印象を与えてしまう可能性があるからです。
オープンキャンパスの目的は、簡単にいえば大学に対する印象やイメージを良くしてもらうということです。
そのため、会場の学生スタッフや教員ともに、参加者へは誠心誠意対応をしてくれているはずです。ですが、あなたが興味・関心のある分野とはそのような印象のみで決めてしまっても良いのでしょうか。
当然、そこにはあなた自身の考えが第一に反映されている必要があるのではと思います。
なお、ここで紹介した2つの注意点からいえることは、ズバリ
即席に近い形で検討された抱負や目標では、自己アピールとしては不十分
ということです!
仮に、即席に近い形になってしまった場合、そのことはすぐに大学側にバレてしまうと心得ておいた方がいいですね。
勉強したい分野を魅力的に伝えていく流れ
結論からいえば、必要な要素は「エピソード」と「主体性」の2つです。私の専門であるスポーツ心理学を例に説明をしていきます。
高校時代、Aさんは部活動でスポーツに取り組んでいました。少しでも優秀な結果を残すために、目標を明確に掲げ練習に取り組んでいました。すると、目標設定の仕方によってその効果が異なることを実感します。
例えば、「大会でベスト8進出」といった大きな目標のみを掲げている時に比べ、その大目標から逆算して、一日一日の小さな目標も明確に設定した時の方が、明らかに結果を残すことができました。
それ以来、目標設定の効果について興味・関心がわいてきました。自分でも目標設定について時間をかけて詳しく調べてみると、目標設定自体は「技能」の1つとされ、そこには多くのコツや必要な考え方があることを知ります。
さらに、それらの内容は高校までの学校教育では習う機会が少ないものであるため、大学ではスポーツ心理学を中心に詳しく学んでみたいという抱負・目標を持つに至りました。
いかがでしたか。
何からのエピソードから抱負・目標を語り始めるのは一般的な形ですが、その中で当該分野について興味・関心が生まれた経緯や、それについて自分なりに調べてみることでさらなる発見があったことがここでは述べられています。
そして、それらの出来事が知的好奇心を生み、大学での学びへとつながっていく流れです。
また、あなたの主体性は下線部の「自分なりに調べてみる」で強調されています。これからは一人ひとりに主体性が求められる時代です。自分から能動的、積極的に活動していける様子をアピールしてください。
芸能人やスポーツ選手、著名人等、私たちが魅力を感じる人たちはみな主体性のある人ばかりです。
自分なりの判断基準・価値観に沿って行動し、独自の雰囲気や世界観を作り出し、それが多くの人たちを魅了しています。
エピソードに沿って興味・関心のある分野を伝えていくならば、主体性の部分も併せてアピールできた方が一石二鳥ですよね。
『さまざまな資格を取得したい』の具体化
『カリキュラムを履修することで○○の資格が取得できます!』というのは、大学側が入学者を確保するために用いる代表的な売り文句です。
『さまざまな資格を取得していきたい』を具体化していく上で、特定の資格名を挙げると先に述べましたが、そこに大学側が『取得できますよ』とアピールしている資格を位置づけてしまう際は注意が必要です。
なぜなら大学側にとって、そこに志望理由としての魅力や新鮮味はほとんど感じられないからです。いじわるにいえば、大学側のアピールに乗っかって安易に抱負や目標を考えているとの印象を与えてしまいます。
それを回避するためには、一連のカリキュラムを通して資格を取得した後に、それを用いてどのようなキャリアを築いていきたいと考えているのかまで言及していく必要があるでしょう。
つまり、資格の取得を第一にアピールするのではなく、取得する資格の長期的な活用方法を詳細にアピールすることが肝要です。
大学側としても、提供する資格を存分に活用してもらい、各方面で活躍できる人材になっていって欲しいと願っているはずです。
繰り返しますが、「資格取得」をアピールしようとする人は大勢見られます。そこを頭一つ抜き出すためには、自分が目指す資格取得後のキャリアを時間をかけて熟考し、それをわかりやすく具体的に述べていくことが求められます。
薄々気づかれたと思いますが、専門分野の勉強や資格取得に関する抱負・目標を具体的にしていくためには、自分がこれからの人生において本当にやりたいことや、理想の自分の姿が明確になっている必要があります。
これって「自己理解」と呼ばれる部分で、簡単な作業のようで実はとても難しく(奥深く)、ましてやこの先の大学生活の中で完結するものではありません。
ですが、自己理解を目指すこと自体にはとても意味があり、自分とは何者なのかがはっきりとすればするほど、地に足をつけ充実した日々を過ごしていくことができるはずです。
なので、個人的には大学入学後の抱負・目標の1つに、「自己理解を深める」を位置づけることをおススメしています。詳しくは、以下の関連記事の中で確認してみてください。
『コミュニケーション能力を高めていきたい』の具体化
コミュニケーション能力そのものについても、もう少し具体的に言及していく必要があるでしょう。
コミュニケーション能力は実はとても広義な能力なんですね。例えば、以下に示す内容はいずれもコミュニケーション能力の1つとしてそれぞれ位置づけられます(これらはほんの一例です)。
- 挨拶をする
- 自己紹介をする
- 話を聞く
- 相づちをつく
- 質問をする
- 会話をはじめる(つづける)
- お礼をいう
- 他人を紹介する
- 指示を与える
- 相手を納得させる
- 助けを求める
上記の一覧からも、『コミュニケーション能力を高める(上げる・鍛える)』という(表面的な)目標は、相手に伝わりづらい、イメージがしづらい内容であると理解していただけたのではないでしょうか。
教育学部への進学とコミュニケーション能力
また、あなたが教育学部への入学を希望している場合は、コミュニケーション能力は特に重要視されるポイントです。
子どもたちの先頭に立ってリーダーシップを発揮し、一人ひとりの成長を促していくためには、大前提として子どもたちとの間に「信頼関係」が構築されていることが必要です。
そのため、『信頼関係を構築します』を目標に掲げたいところですが、そのための方法は残念ながら教科書には記されていません。
ただ一ついえるのは、信頼関係は子どもたちとコミュニケーションを取る中で徐々に構築されていくということです。
目標として具体化するとすれば、日々の学校生活のどのような場面で、どのように子どもたちとコミュニケーションを取りながら関係の構築を進めていくのか、という点になってくるでしょう。
ここでは教育学部進学のケースを例に挙げましたが、信頼関係そのものは、医療や介護、福祉をはじめ、人と人とが真剣に向き合う分野では特に欠かすことができないものだと思います。
信頼関係の大切さは周知の事実ですが、その関係をどのように構築していくのかを具体的に言語化できるという点は、大きな強みになりそうですね。
◆ カテゴリー:コミュニケーション
リーダーシップの発揮とコミュニケーション能力
いまは一人ひとりに「主体性」が求められる時代です。自ら考え判断し、能動的に行動していける姿が、学生生活ならびにその先の社会生活の中で期待されています。
また、あなたが特に推薦系の入試で大学受験の突破を目指しているならば、大学側はあなたにリーダーシップを発揮してもらいたいと考えているでしょう。
その期待に応えるために、『私の強みはリーダーシップを発揮できるところです』とアピールしたいところですが、肝心のリーダーシップの部分をより具体的にすることが望まれます。
例えば、チームのメンバーとどのようにコミュニケーションを取りながら、チーム目標の達成に向けてリーダーシップを発揮していくことができるのかを言語化してみてください。
「リーダーシップを発揮できる」だけでも概ねイメージはできますが、他の受験生と差をつけていくためには、もう一歩踏み込んで自己アピールをしていく必要があります。
◆ カテゴリー:コミュニケーション
『人間として大きく成長していきたい』の具体化
次に、人間として成長するについて考えてみます。そもそも、この抱負は具体的にすることができるのでしょうか?
人間として成長するとは、あなた自身が成長していくこと
たとえ大学教授であっても、人間として成長することを明確に定義することは難しいのではないかと思います。
人間として成長するとは、簡単にいえばあなた自身が成長していく様子であり、専門知識や技能の習得とは異なる、もっと根幹的な成長を表しているといえます。
また、その成長を表す能力要素としては、多くの人に適用される一般的なものが挙げられるでしょう。
例えば、上で取り上げたコミュニケーション能力は、子どもから大人まで、誰にでも適用可能な一般的な能力です。
また、相手への礼儀・マナーや謙虚な心、周囲に感謝する気持ちを持つ等も同様に、人間としての成長を表すものととらえることができそうですね。
◆ カテゴリー:コミュニケーション
部活動で学んだことからも、人間的な成長を確認できる
もしあなたが、中学・高校と部活動に取り組んできているのなら、そこでどのようなことを学び、どんな能力を身につけてきているか冷静に確認してみてください。
きっと、そこからはあなた自身の成長、または人間的な成長を実感することができるはずです。
以下の関連記事では、部活動で身につけることができるものとして、以下の10の能力要素を紹介しています。
- 考える力
- プラス思考
- 気持ちを切り替える力
- 気づく力
- 責任ある行動
- リーダーシップ
- 礼儀・マナー
- 忍耐力
- 継続力
- コミュニケーション能力(傾聴力・伝達力・表現力・協調性)
これらの要素を参考にして、大学入学後の人間的な成長を具体的に述べていくこともできると思います。
◆ カテゴリー:教育・スポーツ
まとめ
大学入学後の抱負・目標は、あくまでもその時点で考えている内容であるので、入学後に変化していっても良いものであると思います。
目標である場合、その時点で一番しっくりくる内容で構成し、自信を持って相手に伝えていくことが大切でしょう。
といいつつも、大学受験では試験勉強に多くの時間が割かれるので、入学後の目標までをじっくりと考える余裕はあまりない可能性があります。
できれば大学受験の直前ではなく、1年前ぐらい前から徐々に自らの考えをまとめていくという形が理想的といえそうです。
この記事で紹介をした内容が、少しでも受験生のみなさんの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
お時間があれば、また次の記事でお会いしましょう!
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