いきなりですが、正直、日々の生活には『やりたくないこと』が溢れています。
ここでいう『やりたくないこと』とは、なんとかなく気が乗らないな~、気が重いな~、めんどくさいな~、先延ばしにしたいな~等の消極的な気持ちが沸いてくる作業や課題のことを指します。
「やりたいこと」であれば意欲的に取り組むことができますが、そうでない場合はストレスの原因にもなってしまう可能性があります。
といっても、やりたいことに比べるとやりたくないことの方が圧倒的に多いのが事実です。
そのため、やりたいことだけを探し求め、追及しようとする生き方は、場合によってはストレスフルな生き方になってしまいます。
では、日々を快適に過ごすためにはどうすればよいのでしょうか??
身の回りに溢れるやりたくないことを少しでもやりたいことに変えていくことができれば、ストレスフルな状況は改善されていくかもしれません。
この記事では、やりたくないことをやりたいことに近づけていくための方法について述べていきたいと思います。
やりたいことを『職業』にしていくことは可能か
自分が本当にやりたいことを職業にする。
それができればとても幸せなことだと思います。
なぜなら、日々やりがいをもって仕事に打ち込むことができるため、上司や誰かの愚痴や文句をいうことは極めて少なくなるでしょう。
残業をやりたくない、月曜の朝が憂うつ等のネガティブな気持ちも減っていくと思われます。
では、どうすれば自分にとってのベストな職業を見つけることができるのか……
それを考える前に、そもそも、日本にどれだけの数の職業があるかご存知ですか?
自分もこの記事の執筆にあわせて少し調べてみたのですが、2011年の時点でなんと17,209種あるということです。
◆関連情報◆ 第4回改訂厚生労働省編職業分類 職業名索引――労働政策研究・研修機構
まるで満点の星空の中からある1つの星を見つけ出すイメージですね。
下手をしたら、自分に合う職種を探しつづけるだけで定年退職を迎えてしまいそうです(汗)
これはちょっと極端な例かもしれませんが、それだけ自分が本当にやりたい職業を見つけ出すということは、極めて困難な作業となる可能性があるということです。
ここで、私自身のケースを少し紹介させていただくと、現在、私は大学の教員としてライフスキル(生きる力や人間力)という能力の獲得を支援する「ライフスキルコーチング」という分野を専門としています。
当然、大学院を修了し、学位を取得した直後から、ライフスキルコーチングを専門とする教員を募集している大学がないか、教員公募情報のポータルサイトを毎日欠かさずチェックしていました。
そして、お目当ての公募情報が見つからないまま3年が経過しようとした時、私はあることに気が付きました。
ライフスキルコーチングという分野は日本の大学教育の中には存在していないと。。
その時、新進気鋭な研究者であれば、国外の大学に可能性を求めていったかもしれませんが、私にはそこまでの度胸はありませんでした。
その代わり、ある工夫をすることにしました。
それは、まずは自分がなんとか担当ができる既存の分野での教員を目指し、その後、既存の分野で活動する中で、ライフスキルコーチングの割合を徐々に増やしていこうというものでした。
あの時、そのままライフスキルコーチングに拘りつづけていたら、最悪の場合、未だに正規での職は得ることができていなかったかもしれません。
話をもとに戻しますと、満点の星空の中から自分に合うただ一つの星を見つけ出すためには、ただ闇雲に探しつづけるのではなく、何か工夫が必要になってきます。
そしてこの記事では、その工夫の一つを紹介していきたいと思います。
『やりたくないこと』を『やりたいこと』に近づけていく方法
みなさんにとっての『やりたくないこと』とはどのようなことでしょうか。
ある作業や課題をやりたくないと感じてしまうのは、その作業や課題のみを見てしまっていて、そのやりがいの有無から判断しているためと思われます。
これを例えば、ある作業や課題に取り組むことは、結果としてどのような知識を得たり、どのようなスキルの向上につながっているのかということを意識してみると、心境は少し違ってきます。
例えば、接客のアルバイトは多様なお客さんと直にコミュニケーションを取ることができるので、一生モノのコミュニケーション能力のトレーニングにつながっている…
会議のための資料作成は、あらゆる職種への汎用性が高いワードやエクセル、パワーポイント等のアプリケーションの操作スキルを高めることにつながっている…
何かの報告書を作成することは、一連の事象を要約する能力であったり、物事の本質をとらえる能力をトレーニングすることにつながっている…
そして、後輩の指導を行うことは、他者に教えることを通して自らの知識の定着率を高めたり、自身のさらなる成長を促す新たな気づきを得ることにつながっている…
というように、目の前の作業や課題への取り組みは、自分自身の何らかの成長にもつながっているという視点を持つ癖をつけていきます。
そうすることで、ついさっきまでやりたくなかったことに対しても、ちょっとやってみようかなという動機づけが沸いてくるのではないでしょうか。
ここでいう『何かにつながっている』という感覚は、厳密に検証されたものではなく、あくまでも自分自身の感覚の範囲で良いと思われます。
やりたくないことはあなたが望む目標の達成にもつながっている!?
突然ですが、あなたには何か達成したいと願う目標がありますか?
もし明確な目標があるならば、それを達成するために必要な課題を挙げることができるでしょうか。
必要な課題をすぐに挙げることができない場合は、特に以下の図を注意深く見てみてください。
これは『マンダラチャート』と呼ばれるもので、中央の黄色のマス目に記入された最終目標の達成に必要な課題を、中央部分から四方八方に向けて数多く導き出していくことができるツールとなります。
現在、メジャーリーグで活躍する大谷選手の例を示しています。
◆関連記事◆
大谷翔平選手も実践したマンダラチャートが促す成長への気づき5選!
詳しくは関連記事において説明をしていますが、チャートへの取り組み方を簡単に説明しておきます。
- 下記の図のように3×3のマス目を合計で9個作成します。
- 中央部分に最終的に達成をしたい大きな目標を記入します。大谷選手の場合であれば、「ドラフト1位で8球団から指名を受ける」という内容です(黄色のマス)。
- その最終目標を達成するために必要と思われる下位の目標を8個記入します(灰色のマス)。
- それらを四方八方のマス目の中央部分に散らばせ、その達成に必要と思われる下位の目標をさらに8個記入して完成です(白色のマス)。
ここであなたに最も着目していただきたいのは、マンダラチャートの一番外側に位置する合計64(白いマスの合計)個にも上る比較的小さな課題の数々です。
中央の最終目標の達成にこれだけ多くの課題がリンクしているということです。
これは表現を変えれば、何気ない日々の生活の中から、最終目標の達成につながる多くの課題を見つけることができる可能性があるということです。
あなたがやりたくないと感じていることの中にも、ゆくゆくは最終目標の達成につながる作業や課題を見つけることができるかもしれません。
大谷選手の場合であれば、例えば、『部屋を掃除する』ことは『運』を高めることにつながり、その『運』は最終目標を達成するための一翼を担うという流れとなります。
このようなことはやりたくないと思う作業だけを見ていてはなかなか気づきにくいものです。
必要なのは、そのやりたくない作業から得られるベネフィットについても意識を向けてみるということです。
ベネフィットについて考えること自体は、最終目標が未だ明確になっていない状況でも可能です。
ベネフィットから自分の成長をイメージする中で、マンダラチャートの中心に位置づく、その先の大きな目標や最終目標が徐々に見えてくる可能性もあるでしょう。
やりたくないことの中にやりたいことは見つけることができる!?
繰り返しますが、この日本には17,000以上の職種があります。その中から自分に合うものをピンポイントで見つけ出すのは、極めて困難な作業となる可能性があります。
ではどうすればよいのか?
ピンポイントで到達するのが難しくとも、ある程度方向性を合わせることは比較的難易度が低くなるのではないでしょうか?
公務員、事務職、教育関係、医療関係、研究職、サービス業、建築業等と目指す業種や方向性を合わせます。
そして、その方向性における職に就き、知識や経験、能力、実績をつけながら徐々に本当にやりたいことにシフトしていくというイメージです。
意欲的な方であれば、何年後かに自ら会社を立ち上げるという展開もあるでしょう。
また、本当にやりたいことに向けた中でかかわる複数の職を通して、どのような能力を高めることにつながるのかといった『つながり感』を常に意識することで、一貫したキャリアアップ、キャリア形成を目指していくことができるのではと思います。
まとめ
繰り返しますが、日々の生活には『やりたくないこと』が多く存在します。
それらを避けつづけ、やりたいことだけを追求していこうとするやり方は、多くの人にとってはあまり現実的ではなく、結果的にストレスフルな生き方となってしまう可能性があります。
であれば、周囲に溢れるやりたくないことから得られる個々のベネフィットを考え、積極的に自身の成長につなげていく生き方ができれば、日々の生活におけるストレスはだいぶ軽減されていくのではと思います。
また、その積み重ねで自身の成長を実感できるようになれば、『もっともっと成長したい!』といった欲求が徐々に沸いてくるはずです。
そしてそれは、最終的にあなたにとっての『やりたいこと』に変わっていくことになるかもしれません。
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